くらし 【特集】山に登ろう 山を歩こう(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県沼津市
- 広報紙名 : 広報ぬまづ 2025年10月1日号
皆さんの自宅、勤務先、学校の窓から山は見えますか?私たち沼津市民にとって、山は日常の風景に溶け込んでいます。
愛鷹山、香貫山、発端丈山(ほったんじょうさん)、金冠山。これらの山々は、ただの風景ではなく、私たちの暮らしと密接に関わる大切な存在です。
空気が澄んで景色がきれいに見える秋は、山々の緑が次第に紅葉に向かい、気温も穏やかで快適に歩けることから、ハイキングのトップシーズンと言われています。
今回の特集では、見慣れた景色を特別なものに変える、沼津の山へ皆さんをご案内します。この秋は沼津の山に出かけてみませんか。
ハイカーに特に人気のある沼津アルプス、発端丈山、愛鷹山と特色の異なる3山をひとつにまとめた「ぬまづハイキングMAP」。八つ折で持ち運びもしやすいので、ハイキングのお供にリュックに入れておくと便利です。市役所5階観光戦略課等で配布しているほか、沼津観光ポータルでもご覧いただけるのでダウンロードしてスマホに保存しておくのもいいですね。
■そこに山があるから。自分なりの山の楽しさを
沼津市内で一番高い愛鷹山。香貫山から南へ横山、徳倉山、志下山、小鷲頭山(こわしずさん)、鷲頭山(わしずさん)、大平山と続く、沼津アルプスの愛称で親しまれる山稜線(さんりょうせん)。さらに南に進めば、淡島と富士山という特徴的な景色が楽しめる発端丈山。伊豆市との境にある金冠山など沼津の山はバラエティ豊か。
私たちは日常的に沼津の山々を目にしていますが、実際にその中に入って、山の個性や魅力を体感する機会は意外と少ないかもしれません。
沼津の山では自身の体力や気分に合わせてウォーキングやハイキング、本格的な登山も楽しむことができます。日々の忙しさから解放されて、心身ともにリフレッシュしたい。そんな時、沼津の山々は上質な癒しを提供してくれます。
お弁当を持ってピクニック気分で、あるいは山頂でコーヒーを淹れて贅沢(ぜいたく)な時間を過ごす。自身のスタイルに合った山の楽しみ方を見つけてください。
問合せ:観光戦略課
【電話】055-934-4746
■平均年齢65歳オーバー! 五十雀山歩会と行く沼津アルプス(香貫山編)
沼津近隣の登山愛好家が集う「沼津市五十雀山歩会(ごじゅうからさんぽかい)」の皆さんと一緒に、沼津アルプスの東端に位置する香貫山を歩いてきました。
集合場所の香陵台から標高193mの山頂にある展望台を目指してゆっくりと歩みを進めます。道中、ベテランの皆さんが沼津の山の素晴らしさを教えてくれました。香貫山は勾配も比較的緩やかでハイキングコースも整備されているため、スニーカーなどの軽装備でも、無理なく自分のペースで楽しめます。
途中休憩も楽しみのひとつ。持ち寄ったおやつを交換したり、おしゃべりをしたり。体力を回復したあと、ほどなく山頂に到着。南へと続く山々を目の当たりにすると、香貫山は沼津アルプス縦走への「入り口」なんだと改めて感じます。
沼津市街や千本松原、そして青く輝く駿河湾が眼下に広がり、日頃の疲れが吹き飛びます。心地よい風を浴びながら、皆でパチリと記念撮影。参加者の皆さんのいきいきとした表情から、山歩きが日々の活力になっているのが伝わります。五十雀山歩会の皆さんのように、いくつになっても楽しく山を歩く。そんな目標が見つかった、充実したハイキングでした。
山頂の東屋に置かれた「山ノート」。ハイキングの感想やメッセージなど、自由に書き込むことができます。登山者同士のつながりを感じられる、香貫山ならではのおもてなしです。
香貫山は、沼津夏まつり・狩野川花火大会の絶好の観覧スポットとして知られています。香陵台や山頂の展望台からは、沼津のまちと狩野川を彩る花火が一体となった、壮大なパノラマビューを楽しむことができます。
また、夜景を楽しめる場所としても人気を博しています。夜間は懐中電灯やヘッドライトが必須となりますので、準備をしっかりしてから楽しみましょう。
沼津市五十雀山歩会ホームページは、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
■気軽に楽しめる低山から標高1187.5メートルまで
牛臥山は伊豆半島ジオパークの構成資産のひとつです。なだらかな山体は、海底火山の噴出物が固まってできたもので、地球の歴史を感じられます。「登る山」ではなく、見て、身近に感じて楽しむ山と言えるでしょう。
山の中腹をかすめるように整備されたスロープがあるので、ベビーカーや車椅子でも安心して牛臥山公園内を散策できます。ハイキングとは趣向を変えて、ウォーキングやお散歩など、潮風に吹かれながらのんびりとした時間を過ごすのにおすすめです。
駿河湾と内浦湾に挟まれた発端丈山と長浜城跡は、歴史と絶景を同時に楽しめるユニークなハイキングコースです。
発端丈山山頂までは少し急な坂道もありますが、頑張って登れば、眼下には穏やかな内浦湾が広がり、淡島越しに富士山を望む大パノラマが待っています。山頂からの眺めは、この場所でこそ楽しめるご褒美です。
続いて戦国時代に北条水軍の拠点であった長浜城跡へ。海に突き出た岬の小高い丘の上にある城跡は、当時の情景が伝わる曲輪(くるわ)や堀切が保存整備されており、潮風を感じながら歴史ロマンに浸ることができます。
金冠山は、駿河湾を望む絶景と、歴史ある巨木に出会える贅沢(ぜいたく)なハイキングを楽しめます。いくつかあるハイキングコースのひとつ、市民の森から登るルートから少し離れたところには、推定樹齢約400年と言われる河内の大スギが鎮座しています。
金冠山ハイキングの醍醐味(だいごみ)は、山頂からの雄大な景色に加え、四季折々の自然の移り変わりを体感できること。春から夏にかけて、青々としたクマザサの絨毯(じゅうたん)が広がり、爽やかな緑の中を歩くことができます。秋には紅葉が山を彩り、冬には澄んだ空気の中で、雪化粧をした富士山を眺めることができます。雄大な自然の力と、歴史の重みを感じながら歩く、記憶に残るハイキングを楽しんでみてはいかがでしょう。
富士山の南に広がる愛鷹山塊は、沼津市・富士市・裾野市・長泉町の4つの市町にまたがっています。山塊の南端に位置する愛鷹山は、沼津で最も高い山(標高1187.5m)で、一等三角点を有するため、全国から登山愛好家が訪れる山でもあります。
愛鷹山に続く登山道は、原生林を抜ける本格的なコースで、山頂からは富士山や南アルプス、駿河湾の絶景が広がり、登頂した人だけが味わえる格別の達成感を与えてくれます。愛鷹広域公園の脇からゴルフ場の横を抜け、長泉町の水神社を経由していく道や柳沢から登るルート、平沼から山頂に続くコースなど、多くの林道が整備されています。
ハイカーだけでなくマウンテンバイクなどオフロード自転車のライダーにも人気です。地元の自転車チームに所属する高遠さんは「攻略しがいのある路面や走りやすい道など、楽しさ満点。歩きとはまた違う愛鷹山の魅力を感じられますよ」と教えてくれました。
どの山も、それぞれの魅力とそれぞれの楽しみ方があります。気の合う仲間や家族と一緒に。時には一人で山と向き合うのもいいでしょう。次の休日は、自身のスタイルに合った沼津の山へ出かけて、自分だけの特別な一日を過ごしてみませんか。
※記事内で紹介した、発端丈山、長浜城跡、金冠山、牛臥山公園、愛鷹山のほか、沼津アルプス、河内の大スギ等はぬまづの宝100選に選定されています。
『ぬまづの宝100選』は、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
問合せ:ぬまづの宝100選に関することは…広報課
【電話】055-934-4839
