- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県掛川市
- 広報紙名 : 広報かけがわ 令和7年7月1日号
小笠掛川歯科医師会 その61 松浦勇次
■歯周病と全身疾患について〜ホントは怖い歯周病〜
◇歯周病とその症状
歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こした状態を歯肉炎といい、それに加えて歯を支える骨を溶かして、歯がグラグラになってしまう状態を歯周病といいます。
歯周病の主な症状には、歯ぐきから血が出る、歯ぐきから膿が出る、歯ぐきが腫れる、歯ぐきが下がって歯の根っこがみえる、歯がグラグラする、噛んだときに痛む、口臭がするなどがあります。
◇歯周病と全身疾患の関連
歯周病はお口の中の疾患であるだけではなく、全身と関わっていると考えられています。歯周病との関連が考えられている疾患としては、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、狭心症や心筋梗塞・脳梗塞、動脈硬化などの心臓血管疾患、慢性腎炎などの腎障害、感染性心内膜炎、誤嚥(ごえん)性肺炎、慢性関節リウマチ、早産、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などがあります。このほかにも、アルツハイマー型の認知症やがんなども、歯周病との関連が指摘されています。ただし、歯周病の方が、必ずしもこれらの疾患を患うというわけではありません。
◇歯周病の予防
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防することが全身の生活習慣病を予防することにつながります。歯周病の予防や治療を行うことで、全身のさまざまな病気のリスクを下げることが可能なのです。日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。しかしながら、口腔ケアを自分一人できちんと行うのは難しいものです。半年に一度は歯科医院を受診し、生活習慣も含め口腔ケアを受けるようにしましょう。
◇8020(ハチマルニイマル)達成に向けて
日本歯科医師会は「8020(ハチマルニイマル)運動」を推進しています。これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という目標に向けた取り組みです。2022年の歯科疾患実態調査によると、80歳になっても20本以上の自分の歯を残している人の割合は51・6%でした。
みなさまも、歯の健康を意識し、生涯にわたり健康で豊かな生活を送るため努力していきましょう。
掛川市内のお医者さん案内は「広報かけがわ電子版」で
問合せ:小笠掛川歯科医師会
【電話】22-6120