健康 かけがわこの人 The person of Kakegawa 135

掛川東病院 院長
宮地 紘樹(みやち ひろき)さん
(杉谷)

掛川東病院長として地域と病院をつなぎ、『希望の丘マルシェ』『ロマンディスコ』などの地域交流イベントを開催。地域資源の活用、ICTによる多職種連携、アート×医療の推進により、新たな持続可能な地域医療モデルの構築を目指しています。

■医療の〝あたりまえ”を変える
医療を軸に人や地域とつながる活動を行うのが、掛川東病院長の宮地紘樹さんです。
医療介護従事者同士や、医療従事者と住民が交流する場、企業や行政と地域のつながりを創出する企画を手掛け、多様な人が出会い支え合う土壌を育てられるような取り組みを行っています。
宮地さんが目指すのは地域に根差した〝まちぐるみの医療〞です。「人とのつながりがある人の方が、寿命が延びるという論文があります。私たちの活動がきっかけとなって、日常の延長線上にそっと医療があるような環境をつくりたい」と話します。
従来の病院業務に加えて、新たな取り組みをはじめた6年前。現状で手一杯なのに〝直接的な医療ではないこと〞に周囲からの賛同が得られませんでした。「そんな中でも、地域で協力してくれる方たちがいた。イベントを継続し、職員に地域とのつながりの大切さを伝えることで、徐々に院内から賛同を得られるようになった」と当時の苦労を話します。
幅広く展開される取り組みの一つに「ロマンディスコ」があります。高齢で障がいのある方も楽しめるディスコイベントで、参加者が「こんなに面白いことが自分の人生にも残っていたんだ」と涙を流す場面があったといいます。
9月29日には、医療と地域がつながるきっかけづくりの場として『希望の丘マルシェ』が東病院で開催されます。「自分たちの常識とは違う人たちと関わることで、新しい体験や豊かさに気付くことがある」そう話す宮地さんの言葉には、未来の医療と地域のかたちへの強い希望が込められています。