健康 メディカル通信

◆消化器の検診
内科医師 吉村 誠(よしむらまこと)

消化器疾患のうち、かつて死因第1位の胃癌は胃透視(バリウム)検査や内視鏡検査により発見され減少し、大腸癌も便潜血(べんせんけつ)検診と大腸内視鏡検査により発見され減少しつつあります。この様に病気の早期発見に検診は非常に重要です。

▽胆膵疾患(たんすいしっかん)
検診の血液・尿検査だけでは見逃し易いのが胆膵疾患(胆嚢(たんのう)、胆管(たんかん)、膵臓(すいぞう))です。これには内臓の断面像が見られる腹部超音波断層検査(エコー)が必要です。
腹部エコー検査は痛みも無く結石、炎症、腫瘍(しゅよう)等を検出できます。検診項目に含まれると良いのですが、高度の技術と診断能力が必要であり、検査に時間が掛かり、検査数が増やせないのです。
その為か胆膵系の癌は早期発見が難しい傾向にあります。人間ドックにはエコー検査が含まれます。

▽精密検査
胆膵の結石、腫瘍等の精密検査に、痛み無く身体の断面像が得られるCT検査とMRI検査があります。
これらの検査で胆管結石や癌による閉塞(へいそく)が疑われた場合、内視鏡で胆管、膵管(すいかん)に細い管を入れ造影剤を注入してX線撮影する内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)があります。
その際に十二指腸の胆管出口を拡げ、結石を鉗子(かんし)という道具で掴み摘出したり、胆管の閉塞部位に太いチューブを挿入して黄疸(おうだん)を解除する治療を行うこともできます。

▽医師に提案
腹部エコー検査はもっと普及・活用されるべき検査です。一般の検診だけでは不安な方は、ぜひ医師に相談してみてください。

問合せ先:下田メディカルセンター
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