- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県伊豆の国市
- 広報紙名 : 広報いずのくに 令和7年9月号
■明治日本の産業革命遺産
~八幡~
8県11市にまたがる8エリア23資産からなる「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」から、エリア8「八幡(やはた)」を紹介します。八幡エリアには、「官営八幡製鐵(てつ)所」「遠賀川(おんががわ)水源地ポンプ室」の2資産が所在しています。
時代的には20世紀初頭の「産業化の完成」、産業分野としては「製鉄・製鋼」に分類されます。
福岡県北九州市にある「官営八幡製鐵所」は、鉄鋼需要の高まりを受けて、日本初の「銑鋼(せんこう)一貫製鉄所」として、明治29(1896)年に建設が決定されました。明治34(1901)年には、第一高炉に火が入れられ、操業を開始しています。ドイツの最新技術を導入し、さらに野呂(のろ)景義(かげよし)ら日本の技術者による改良を経て操業が軌道に乗り、明治43(1910)年には鋼材生産15万tを達成しました。
その後も、日本有数の製鉄所として鉄鋼業界を牽引(けんいん)し、現在も日本製鉄九州製鉄所八幡地区として稼働しています。工場群のうち、「旧本事務所」「旧鍛冶(かじ)工場」「修繕(しゅうぜん)工場」が世界文化遺産の構成資産となっています。
さらに、福岡県中間(なかま)市に所在する「遠賀川水源地ポンプ室」は、製鉄に必要な大量の水を供給する施設です。明治43(1910)年に完成したれんが造りの建物は、「稼働資産」として今も製鉄所に水を送っています。
「試行錯誤の挑戦」であった韮山反射炉からおよそ50年。エリア8「八幡」は、まさに、日本における産業革命の成果の一つであり、全23資産がつなぐストーリーの到達点を、私たちに示してくれています。
なお、いずれも非公開施設のめ、通常は見学できません。外部からの眺望スペースなどの詳細は、各資産のHPなどをご覧ください。
問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428