- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県河津町
- 広報紙名 : 広報かわづ 令和7年11月号
■レポート 塩が生まれるまで
塩について調査をした民間広報協力員は、NPO法人戸田塩の会の協力のもと、昔ながらの塩づくりを体験しました。
◆NPO法人戸田塩の会
沼津市戸田で約1,500年前に安康天皇に献上されたという言い伝えも残されている伝統の塩づくりを1995年に地元女性たちの手により復活。その後30年に渡り、伝統的な製法で製塩を行っている。
1 水深20mから汲み上げた海水を使って塩づくりをします。約13~15時間かけ海水を煮詰めます。釜底が焦げないよう、火の調整を常に行います。
2 煮詰めた海水から底にたまった塩を網ですくいあげます。
3 塩小屋でゆっくりと塩を寝かせ、熟成させたものを、手作業で包装します。
◆塩づくりの歴史
◇古代 藻塩焼き
海水の付いた海藻(藻)を天日に干し、表面に表れた塩を海水で溶かして濃い塩水を作ったり、これを煮詰めて塩を作ったとする説がありますが、実態は明らかになっていません。
◇中世~ 揚浜式製塩
人力で海水を汲み上げ、塩田の砂にかけます。太陽熱と風で水分を蒸発させ、塩分が付着した砂を集めて海水で洗い、濃い塩水を作ります。採取した濃い塩水を釜で煮詰めて塩を製造する製塩法です。
◇江戸時代〜昭和30年代 入浜式製塩
潮の干満差を利用して海水を塩田に引き入れます。太陽熱と風によって水分を蒸発させ、塩分が付着した砂を集めて海水で洗い、濃い塩水を作ります。採取した濃い塩水を釜で煮詰めて塩を製造する製塩法です。
■特集号制作のキロク
※詳しくは本紙をご覧ください
■取材を終えてヒトコト
◇相羽 勇仁(ゆうと)
普段塩に気を使ったことがありませんでしたが、歴史、製法や質の違いを知りました。普段使っている塩とじっくりと作られた塩との違いに驚き、勉強になりました。
◇福司 美希(みき)
温泉の町・かわづで、今回も色々な人に出会い、取材させてもらって、HOTな河津を再発見しました。
◇相馬 大夢(ひろむ)
とても興味深い話を聞けて、塩づくりの火力に負けない人々の熱量がとても伝わりました。
◇森野 ゆかり
戦時中や近代の河津町での塩づくりの資料が少なく、語り継ぎ残していくことの重要性を感じました。
