- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県岡崎市
- 広報紙名 : 市政だより おかざき No.1441 2025年10月号
■世界最高峰の生物学研究を続ける
三浦 正幸(みうら まさゆき)さん
自然科学研究機構・基礎生物学研究所 所長
理学博士
世界最高水準の学術研究を行う基礎生物学研究所の所長に4月から就任した三浦さん。「ここで働くのは2度目。岡崎は以前と変わらず豊かな歴史と自然があり、桜のきれいなまち」という印象を話してくれました。研究者を志したきっかけは、ふるさと秋田の海岸でハタハタの赤い卵に興味を持ったこと。その頃読んだ「卵はどのようにして親になるのか」、更に高校時代、岡田節人(ときんど)氏著書「細胞の社会」に出会い、大きな感銘を受け、この分野の勉強をしたいと決意。生物学研究への第1歩を踏み出します。
大学入学後は研究三昧(ざんまい)の毎日。素晴らしい恩師や先輩にも恵まれ、大阪大学、ハーバード大学、理化学研究所、東京大学など各地の大学や研究機関で研鑽(けんさん)を続けます。「父親が転勤族だったため小中学校を6回転校しています。そのためか研究場所が変わることは苦になりませんでした。むしろ多くの研究者と知り合える喜びが大きかったのかもしれません」とプラスに捉え、細胞研究での新しい発見につなげていきます。
「岡崎の研究所は生物とまっすぐに向き合い、高いレベルの研究を続けて世界の生物研究を牽引(けんいん)しています。人間の生活をより良くするためにはそのベースとなる自然のことを知らないといけない。それを知ることで大きな発見を実現できる研究所でありたい。そしてこれまでもそうだったように岡崎に行けば面白い研究ができる、そんな場所であり続けたい」と所長としての意気込みを語ります。研究所には大学院生も含め、共同研究により若い人材が集まっています。「先輩の言葉ですが『やって・みなけりゃ・わからない(YMW)』。現代はネット上に情報があふれていますが、躊躇(ちゅうちょ)せず手を動かし足を使って、実際のものを見て欲しい」と若い世代へ期待を込めたメッセージも。
コロナ禍もあり6年ぶりに通常開催となる基礎生物学研究所の一般公開。「小さいお子さんにも楽しんでもらえる内容で、事前予約も不要なので多くの人に来ていただきたい」と自ら先頭に立ち準備を進めています。世界最先端の研究に触れられる機会は、滅多にありません。ぜひこの機会に研究所へ足を運んでみてください。
■基礎生物学研究所 一般公開2025
生き物はすごい!!
当日会場へ
10月11日(土)9:30~16:30
研究施設公開、研究展示・体験、研究者トーク、スタンプラリー。詳しくは、ホームページで。
