- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県津島市
- 広報紙名 : 市政のひろば つしま 令和7年10月号
市民病院 院長
川井 覚
■災害に備える
今年7月には津島市内に線状降水帯が発生し、広い範囲で浸水被害が発生しました。最近全国各地でこのような大雨災害が増えているように思います。南海トラフ地震のような巨大地震の発生も近い将来予測されており、大きな災害がいつ起きてもおかしくありません。
津島市民病院は災害拠点病院として、災害発生時に被災地の傷病者を受け入れ、医療が継続できるよう準備をしています。具体的には、自家発電設備を保有し、3日分程度の燃料を確保しています。また、3日分の病院機能を維持するための医療用水、食料、飲料水、医薬品等も備蓄しています。しかしながら、大規模な災害でライフラインが止まってしまうと、病院機能が麻痺してしまう状況もありえます。かかりつけのクリニックや薬局も営業することが不可能になるかもしれません。
もしもそんな状況になったときに、あなたは普段飲んでいる薬をどれくらい準備してありますか?もちろん処方されたばかりの時期は十分な量の薬を持っているでしょうが、明日病院にかかる予定だったときはどうでしょうか?
高血圧や心臓病、糖尿病など毎日薬が必要な持病がある場合は、数日間薬が飲めないだけで命にかかわる場合もあります。特に、血栓形成を防ぐ抗凝固薬やインスリン注射のような薬の不足には注意が必要です。薬が全く手に入らないような状況が1週間以上続くことは想定しがたいですが、普段から治療を受けている医師に、災害時の薬の備蓄について相談しておきましょう。また、お薬手帳には処方薬の情報や服用期間、副作用歴やアレルギー情報などが記載されており、いざというときに他の医師から薬をもらうため、常に持ち歩くよう心掛けることも大切です。
自分の身を守るため、災害に対しての備えを日ごろから怠らないことは言うまでもありませんが、ケガや体調不良がなくても、薬がないと大変なことになるかもしれないということも、頭に入れておいてください。