- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県碧南市
- 広報紙名 : 広報へきなん 2025年5月号 №1966
■人は人のために生きてこそ幸せになれる
市長に就任し、1年が経ち、改めて振り返ってみますと多くの皆様にどれだけ支えていただいていたのかと感謝の気持ちがあふれてきます。
幼少の頃、祖母に教えてもらった人としての心の姿勢として「お互い様」、「おかげ様」という気持ちを持ち続けることの大切さ。「お互い様」という謙虚さ、優しさの言葉。「おかげ様」という感謝の言葉を挨拶のように笑顔で口にしてきました。すると不思議なのですが、皆様から温かな幸せを感じる言葉が返ってくるようになるだけではなく、手を差し伸べてくださる方々も増えてまいりました。
私が掲げるスローガン「碧南から日本を変える!」には、このような人の在り方への想いが込められておりましたので少しずつですが、良いご縁が増えてきていることにうれしさを感じております。
とはいえ、順風満帆な一年であったわけではなく、多くの荒波がやってきた1年でもありました。
■就任一年目を振り返って
まず、就任直後、いきなり目を疑ったのは、4月単月の出生数が20人となったことでした。そして昨年の出生数は市制始まって以来初の500人を切ってしまう人数となり、西三河トップクラスの少子化となりました。また1/4が高齢者となり、高齢化が速度を上げて進んできました。また、社会問題とされている独身者の増加は、碧南市にも将来的な少子高齢化の進展に影響を及ぼすと考えられます。
早急に碧南市での既婚率を増やし、子供を産み、育てやすい環境を整えていかないと、ものづくりのまち碧南市の担い手もいなくなり、税収どころか市民の暮らしも成り立たなくなってしまうかもしれません。
現在、園は22園、小学校7校、中学校5校ありますが、昨年の出生数が約473人ですので、園や小中学校の統廃合も検討しなければならない状況となってきました。中学校5校を維持していくためには子どもの数を増やす必要がありますし、これまでの市民サービスを維持するためにも税金を納める年代の人口増は必要ですので、今年は若者世代の流入や子どもの数を増やすということにも力を入れてまいります。
さらに市民病院のあり方も頭を悩ませました。就任直後から、経営内部まで深く入り、病院へも何度も足を運びました。その結果、救急患者は多いものの、予約患者数が少なく利益が上がっていないことなど、様々な問題が分かってきました。今年は口腔外科など全国から治療を求めて来院してくださる科があることなど、たくさんの方に市民病院の魅力を知ってもらうための広報活動にも力を入れていくとともに、診療科単位での課題の洗い出しや成果の見える化など、スタッフ教育にも力を入れ、更なる患者サービス向上に努めてまいります。
次に、碧南市の公共施設ですが、人口と市域面積規模が類似した自治体と比較した際に、市民一人当たりの公共施設延床面積が最も大きいだけではなく、建て替えサイクルを80年に延ばしたことにより、大規模改修が必要な施設が増えてまいりました。今後維持するだけでも多額の資金が必要となってきます。そこで、今年度施設マネジメント係を創り、人口減少社会の到来も念頭に、施設の複合化などについても視野に入れ、検討を行ってまいります。
まだまだ諸問題はいくつもございますが、順次前に進めていっておりますのでご安心ください。
■令和7年度の取り組み
さらに魅力的な碧南市とするために今年度の取り組みとして新たに、あるいは拡充していく主なものとしましては、
・結婚新生活支援事業
・0歳から2歳児の第2子以降に対し保育料の無償化及び軽減
・小規模保育所の開設。妊娠から子育て期間を支援する伴走型相談支援
・こども家庭センター設置。民間こども園の整備
・金融経済教室の開催
・碧南版大学等奨学金返金支援制度創設のための準備
・農業者・漁協への支援対策
・住宅省エネ改修補助事業
・健康寿命の延伸施策の拡充
・防災士資格取得補助
・民間事業者との災害協定締結推進
・防災倉庫設計業務委託
・資機材物品等の拡充
・AEDの屋外設置
・廃棄物処理方式等の調査検討業務委託
・被災者生活再建支援システム導入
・キャッシュレス決済の拡大
・あおいパーク改修事業
・北新川駅周辺の基本構想
・学校体育館へのエアコン設置業務委託順次スタート
・海浜水族館2階展示エリア改修
などを進めてまいります。引き続き、誰もが笑顔で夢や希望が描ける碧南市を目指していきます!