健康 ~小牧市民病院より~ 健康通信

■新たな心房細動治療の選択肢 ~経カテーテル的左心耳閉鎖術~
循環器内科 医長:間宮 慶太

◆経カテーテル的左心耳閉鎖術とは?
経カテーテル的左心耳閉鎖術は、心房細動と呼ばれる不整脈のある患者さんに、心臓内で血栓のできやすい場所である「左心耳(さしんじ)」の入口を「左心耳閉鎖デバイス」で閉じて、血栓が脳に飛んでしまうこと(脳梗塞)を予防する治療法です。
脳梗塞のリスクを低減し、血を固まりにくくする抗凝固薬(ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナ)が大半の方で中止可能となります。また、この治療は、外科手術ではなく、カテーテルという細い管を使って行われるため、体への負担が比較的少ないことが特徴です。

◆心房細動と脳梗塞の関係
心房細動があると、心臓の左心房にある「左心耳」と呼ばれる小さな袋状の構造に血液が溜まりやすくなります。この溜まった血液が固まることで血栓ができ、それが血流に乗って脳に到達すると脳梗塞を引き起こします。経カテーテル的左心耳閉鎖術は、この左心耳を物理的に閉じることで、血栓が形成されるのを防ぎます。

◆手術の手順
手術は、全身麻酔で行われます。脚の付け根にある血管からカテーテルを挿入し、それを心臓まで進めます。
その後、左心耳に特殊なデバイスを装着して閉鎖します。このデバイスは安全かつ効果的に左心耳を封鎖するために設計されており、術後は心臓の一部として機能します。

◆メリットとリスク
この治療法の大きなメリットは、抗凝固薬の服用を減らす、または中止できる可能性があることです。抗凝固薬は脳梗塞を予防しますが、長期服用による出血リスクが懸念されるため、この治療法はその代替手段として注目されています。ただし、手術には感染症やデバイスのずれなどのリスクもあるため、事前に医師と十分な相談が必要です。

◆誰に適しているのか?
経カテーテル的左心耳閉鎖術は、特に以下のような方に適しています。
○抗凝固薬の副作用(出血など)が強く出ている
○長期間の抗凝固薬服用が難しい、または服用したくない
○他の治療法が効果を示さない
ただし、適応の有無は医師が慎重に判断します。患者さんの健康状態や既往歴によって治療が推奨されるかどうかは異なります。

経カテーテル的左心耳閉鎖術は、心房細動患者の脳梗塞予防において新たな選択肢を提供する画期的な治療法です。体への負担が少なく、薬に頼らない生活を目指すことが可能です。興味がある方や治療の必要性を感じている方は、ぜひ当院への紹介をご検討ください。

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