健康 市民病院発 ほのか診察室 199話

■生活習慣病を健康診断で見つけよう!
監修 市民病院 健診センター

生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧症、脂質異常症は、最初は症状がなくても心筋梗塞、脳梗塞などの重大な病気につながり、生活の質の低下や医療費の増大を招きます。
今回はこの中の糖尿病について、健康診断の大切さとともにピックアップしていきます。

◇糖尿病の恐ろしさは三大合併症
日本人の4人に1人は糖尿病か、その予備群と言われています。糖尿病は、それ自体は直接命に関わる病気ではありませんが、自覚症状がないまま進行して、合併症を起こすことが大きな問題となります。
なかでも「糖尿病性神経障害」、「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性腎症」は糖尿病特有のもので、「三大合併症」と呼ばれています。いずれも血糖値が高い状態が続くことによって、細い血管の障害を引き起こし、発症します。自覚症状が現れた時には進行してしまっている状態であることは少なくありません。
合併症を起こさない、悪くしないためには、次の5つのことが大切と言われています。
(1)血糖値を目標の値にコントロールする
(2)糖尿病の治療を中断しない
(3)血圧・コレステロールの値を望ましい範囲にコントロールする
(4)喫煙をしない
(5)体重を望ましい範囲にコントロールする

◇糖尿病を早く見つけましょう
糖尿病は早い時期に見つけ、血糖値のコントロールをすると、糖尿病の合併症を防ぐことができます。

・糖尿病性神経障害
足のしびれや痛みで始まることが多くひどくなると足の神経が麻痺します。
最悪の場合、壊疽を起こし、足の切断を余儀なくされることもあります。

・糖尿病性網膜症
眼底の血管の障害を引き起こし、ものが見えにくくなります。
ひどくなると失明することもあります。

・糖尿病性腎症
腎臓機能障害を引き起こし、タンパク尿やむくみが現れます。進行すると慢
性腎不全に陥り、人工透析が必要になることもあります。

そこで健康診断は、糖尿病を見つける一番身近な方法です。定期的に健康診断を受けて、糖尿病や糖尿病の予備群を早く見つけましょう。
糖尿病と診断された方の中には、症状はないものの健康診断や他の病気で医療機関を受診した時に偶然、糖尿病とわかる方が多くいます。また、既に症状がある場合には糖尿病がかなり進行している方もいます。一方で高血糖が著しい場合は、口渇、多飲、多尿、体重減少などの症状がみられます。極めて重症の場合、ときに意識障害や昏睡に陥り、適切な治療が行われなければ死に至ることもあります。
糖尿病の予備群と言われたら、生活習慣を見直しましょう。また糖尿病と診断されたら、医師の診察を受けた上で、定期的に検査と正しい治療を受けましょう。

出典:国立国際医療研究センター糖尿病センター、全国健康保険協会

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