くらし おおぶ活き活き幸齢者(こうれいしゃ)応援八策(1)

■自分らしく幸せを実感する幸齢社会の実現に向けて
従来、日本では65歳以上の方が高齢者とされ、年金の受給開始などの一つの区切りとしてのイメージが定着しています。しかし、人生100年時代を迎える現代では、65歳を過ぎても元気に仕事や趣味の活動で活躍する方も多く、年齢だけで一律に捉えることは現実的ではなく、新たな高齢者像の確立が求められています。市では年齢や心身の状態にかかわらず、全ての高齢者が自分らしく生きがいを感じながら暮らせるまちを目指して策定した「おおぶ活き活き幸齢者応援八策」を推進していきます。

◆おおぶ活き活き幸齢者応援八策とは
高齢期のうち、就労・ボランティアなどの社会参加が活発な活躍期から、医療・介護などの日常生活の支援が必要な安心期に至るまでを、市がさまざまな施策を通じて総合的に支援していくことを「梁(はり)」と「柱」を用いて表しています。
年齢や心身の状態などを超えて市として積極的に推進していく3つの施策を梁、心身の状態や環境などに応じた5つの施策を柱として記載しています。

おおぶ活き活き幸齢者応援八策の推進により幸齢者の増加を目指していきます

○梁1 新たな時代の幸齢者像の確立
ライフスタイルを自由に選択し、より積極的な生き方を探求する人生100年時代にふさわしい理想の高齢者像を「幸齢者」として位置付けます。多様な就労・活躍の場の創出と健康増進・多世代交流により、「貢献寿命(※)」と「健康寿命」を延伸します。

・老人などの表記の見直し(10月~ こども幸齢者交流センター)
・社会福祉協議会との連携強化
・ゴールデンクラブおおぶの活動支援
・いきいき幸齢者フェスタの開催

○梁2 認知症不安ゼロのまちづくり
全国に認知症施策が広がるきっかけとなった「大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」に基づき、認知症を予防し、認知症になっても安心して暮らし続けられるまちづくりを推進します。

・認知症ヘルプマークの普及推進
・認知症の日啓発イベントの開催
・大府もの忘れ検診の実施
・認知症高齢者見守りネットワークの構築
・認知症サポーターの養成
・認知症カフェ・交流会の支援

○梁3 まるごと相談支援
年齢や状況に関係なく、個々のニーズに応じて関係機関と連携した相談支援を行うとともに、市独自の成年後見制度の利用促進や終活支援などを通じて、さまざまな相談に対応する「まるごと相談支援」を行います。

・福祉総合相談室の名称変更(4月~ 福祉まるごと相談室)
・市民後見人活動保険への加入
・さくらMIRAIサポート(終活支援)の実施
・成年後見センターの運営・成年後見制度の利用促進
・おくやみ窓口の開設

○柱4 「貢献寿命」を延伸
活躍の場の創出・拡大
知識・経験を生かして、活躍できる場を創出・拡大し、社会や地域に貢献する「貢献寿命」を延伸します。

・市民活動センターとボランティアセンターの一体化などの体制強化
・シルバー人材センターとの連携強化
・就労的活動支援コーディネーターの体制強化
・地域の集会施設への改修補助

○柱5 「健康寿命」を延伸
健康づくりと交流促進
健康都市おおぶ独自の健康づくりを推進するとともに、世代を超えた交流を促進し、「健康寿命」を延伸します。

・健康増進・交流センターの整備
・緑道整備・開通記念ウォーキングイベントの開催
・健康マージャンの普及促進
・市民モルック大会の開催

○柱6 暮らしを支える移動支援
通院・買い物をはじめ、暮らしを支える公共交通の充実と福祉との連携などによる移動支援の充実を図ります。

・市循環バス路線のさらなる充実
・社会福祉法人と連携した移動支援(買い物送迎サポート定期便)の拡充
・市循環バス「ふれあいパス70」の発行
・75歳以上の運転免許自主返納者にタクシー料金助成券の交付

○柱7 日常生活のサポート
多様な主体と連携し、日常生活で必要となるサポートを提供します。

・高齢者軽度生活援助事業(ねこの手サービス)の拡充
・民間社会福祉施設などとの災害時の連携推進
・公設福祉避難所の整備(4月~ 愛三文化会館を災害時に活用)
・民生児童委員の活動支援

○柱8 医療・介護へのアクセス
住み慣れた身近な場所で、安心して医療と介護が受けられる体制を整備します。

・高度医療機器の導入支援(最先端手術支援ロボットの導入支援)
・認知症対応型グループホームへの整備補助
・在宅医療の推進
・高齢者相談支援センターの運営

※貢献寿命…東京大学の秋山弘子名誉教授が提唱する概念で、自立して生活できる期間である「健康寿命」に対し、年齢や心身の状況にかかわらず社会とつながり、役割を持って他者と関わりを持ち続けられる期間のこと。