文化 夢キラリ人

■Morning Monsters/W Eiji
11.1sat-12.7sun

Scientist Eiji Watanabe ”治さん”
Artist Eiji Watanabe ”司さん”

◇ふたりのエイジがつくる、面白くて深い世界
渡辺英治さん(左・科学者)
渡辺英司さん(右・芸術家)
※詳しくは本紙をご覧ください。

大倉公園で開催する現代アート展「アートオブリスト2025」。10年目となる今回は「Morning Monsters(モーニングモンスターズ)/W Eiji展」。芸術家でアートオブリストの生みの親・渡辺英司(司(つかさ))さんと科学者・渡辺英治(治(おさむ))さんの、モンスターというには穏やかすぎる2人がタッグを組み、少し不思議で面白い空間を展開します。芸術家と科学者がなぜアート展を企画することになったのでしょうか。
実は同じ名前だったことが出会いの始まりだという2人。司さんが治さんの存在を知ったのは10年前。2人は仕事柄、作品や論文などがインターネットに掲載されることが多く、司さんが自分の名前を検索すると、自身の作品とともに同姓同名の知らない男性の顔写真が出てくるのが面白かったと話します。一方の治さんも、自身の研究協力者がたまたま司さんの教え子で、同姓同名の芸術家がいることは聞いていました。共通の知人を通して、昨年ついに出会いを果たし、さまざまな話をした2人。年齢も近く雰囲気もどことなく似ていて、司さんは初対面ながら「もう人生の最後じゃないかと思うくらい話した」と笑います。話をするうちに、2人の活動が、領域は違っても見え方の不思議を捉えて深掘りする視点が同じだったことが分かります。さらに、司さんは自身の展示作品に「Morning Star(モーニングスター)」、治さんは研究の発表で制作した錯視画に「Morning Monster(モーニングモンスター)」と、そっくりな題を付けていた偶然も発覚したのです。
司さんは、今回のアート展を自身のオリジナル作品だけでなく、治さんの研究に着想を得たものも展示する2人展にしないかと治さんを誘います。治さんの快諾を得て、タイトルは2人の驚きを込めた「Morning Monsters(モーニングモンスターズ)」に。アートと科学の交錯する、面白くて深い旅の始まりです。会場の大倉公園では、公園全体を使って、それぞれの世界観を表現することに決めました。
「まずは気軽に面白がって、その不思議さに疑問を持ち、さらにアートに昇華されたものを見るという、3度おいしい企画です」と話す2人。「ワタナベエイジ」たちの出会いが起こした化学変化を楽しめる、大府の芸術イベントが、いよいよ開幕です。