- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県岩倉市
- 広報紙名 : 広報いわくら 2025年10月号
■みんなが気軽に楽しめる 落語はそんな娯楽です。
登龍亭門助(とうりゅうていかどすけ)さん(落語家)
何年もの修行を経て、ようやく独り立ちが許される「年季明け」。落語家・登龍亭門助さんは、この4月にその節目を迎え、新たなスタートを切りました。市内で唯一の落語家として今後の活躍が期待されています。
落語との出会いは小学生の時、学校図書館で廃棄する本の中に林家木久蔵(現・木久扇)さんの「ぼくの人生落語だよ」という本を見つけたときでした。修行時代のエピソードや失敗談を読んで、素直に面白いなと思い夢中になりました。それ以来、落語を聞いたり、関連する本を読んだり、落語が生活の中に入ってきて、自然と落語家になりたいという夢ができました。しかし、当時落語家になるためには東京か大阪に行って弟子入りをしなければならず、また、諸般の事情により、一度は違う道を選びました。
それでも夢は諦めきれず、名古屋で弟子を取ってくれる落語家一門が出来たことを知り、一念発起して登龍亭幸福師匠のもとへ弟子入りを志願しました。ちょうど新型コロナウイルスが猛威をふるっている最中であったことから師匠からは何度もやめたほうが良いと断られましたが、覚悟が決まっていた門助さんは何度も足を運び、ついに弟子入りを認められ、念願の落語家への一歩を踏み出すことが出来ました。
3年に渡る長い修行期間を経て、ようやく自分一人で高座に上がれるようになりました、と語る門助さん。修行中はいつ師匠に呼び出されるか分からないため、常に予定を空けていました、と当時を振り返ります。
現在は、定期的に岩倉市の生涯学習センターと吉祥寺で落語会を開催していますが、今後は喋る仕事であれば何でもやりたい、とイベントへの出演にも意欲を見せています。「身一つあればどこでもできるのが落語の魅力ですから、仕事としてお手伝いできることがあれば、気軽に呼んでほしいですね。」と門助さん。
落語という言葉は知っていても中身まで知っている人が中々いないので、岩倉市唯一の落語家として、地域に落語という文化を根付かせたいと、将来への展望を語っていただきました。