くらし とよあけの自然

◆ナガバノイシモチソウの葉に捕獲された昆虫
~小廻間(こはざま)湿地一般公開での質問の回答 その(2)~
食虫植物であるナガバノイシモチソウの葉の腺毛につく黒い点々が昆虫などの小動物とすると、どんな種類が捕まえられているのでしょうか?
この回答を得るには標本を作成するのが一番です。しかし、捕らえられた獲物を腺毛から外すと植物を痛めかねないので、獲物を撮影して種の同定を試みました。これが意外と難しく、肝心な特徴が腺毛の粘液にくっついて見られないものが大半でした。一番多かったのはハエの仲間で、中でもユスリカの仲間が多いことが分かりました。その他、じつに多様な昆虫類が獲物になっていました。
少しでも種が判明しないかと、ナガバノイシモチソウ自生地に飛来している昆虫たちを捕獲するワナをはり、データを補ってみることもしてみました。すると今度は普通の図鑑に掲載されていない小さな昆虫ばかりで、結局は何々の仲間までの同定で留まったものが続出しました。その道の専門家でないと、種までは分からないようです。

豊明市史(自然)執筆員 吉鶴 靖則

※写真は広報紙30ページをご覧ください。