子育て [特集]磨け!わたしだけの個性 一人ひとりが主役の学び(4)

■熱弁!卒業して今おもうこと
幅広い年代の卒業生に聞いてみた!
緒川小学校卒業生の座談会
▽小澤 京花さん(19歳)2018年卒業 学生
好きな教科:家庭科
▽鈴木 繁聡さん(33歳)2004年卒業 大学教員
好きな教科:O・T
▽小林 春菜さん(37歳)2000年卒業 市民ミュージカルの演出
好きな教科:音楽
▽白羽 隆宏さん(51歳)1987年卒業 会社経営
好きな教科:体育

◆小学校で印象に残っていることは何ですか?
〔小澤〕昔から料理をすることが好きで、O・Tの時間にひたすら自分の好きな料理を作っていた印象があります。
〔鈴木〕職場体験で緒川小の先生をやって、準備不足で何もできないという大失敗をしました(笑)。それでも先生が2週間後にやり直しの機会をくれて、2回目はちゃんとできました。そこで知った授業準備の大切さは、大学教員になった今も生きていますね。
〔小林〕大統領をやっていたときに、議会でもイベントでも自分たちで決めていたことです。音頭はみんなでどれくらい練習するのかとか。ゴールは特に定めることなく、とにかくみんなで自由にずっと過ごしていた印象があります。

◆緒川小のオープンな環境はどうでしたか?
〔小澤〕中学校にあがるとドアや壁があり、ほかのクラスや教室に入りづらかったです。緒川小学校ではクラスの隔たりはなく、気軽に交流できていたので「ドアや壁がないと、人との壁もない」みたいな感じでした。
〔鈴木〕校内のいたるところに実物が置いてありました。例えばラーニング・センターに本物の軽トラックがあったんです。そんな環境のおかげか、授業でペンギンについて学んだ友人が「ペンギンを貸してください」と水族館に手紙を送っていました。彼は本気で飼えると信じてエサを持ってきたりして…(笑)
〔白羽〕好きな動物の飼育って普通の学校じゃ考えにくいかもしれないけど、緒川小なら全て不思議じゃないんですよね。私も授業の一環でヤギを飼いましたが、楽しかったので授業だと思ってお世話したことは一度もないです。
〔小林〕自分がやればやっただけ楽しい感じです。大人になった今、最低限でやろうとか、省エネでやろうと考える人はたまにいます。手間でもやった方が楽しいし、リーダーとかで企画の中心にいるとそれだけ楽しいんです。
〔白羽〕楽しさは振り子のようで「苦しい」がある分「楽しい」が返ってくると思うんです。また、「やれ」と言われたら楽しくない。大変なものは自主性でやるから楽しい。緒川小はそういう自主性で許してくれる機会が多かった。

◆今に生きている緒川小での経験は何ですか?
〔白羽〕当時の給食は、教室以外の開けた場所で食べていました。クラスに限定されず、同じ空間でたくさんの人とごはんを食べることでご飯を楽しめました。それが「みんなが楽しめるご飯を作りたい」という今の夢に繋がっています。
〔鈴木〕私はもともと名古屋市内の公立小学校に通っていましたが、情報番組で緒川小を知って「ここに通いたい」と両親にお願いして、3年生で転校してきました。「授業ってこんなに楽しくしていいんだ」と感じて、教育に興味を持ち、教員を志しました。
〔小林〕緒川小では、とにかく挑戦できるチャンスが多いので、失敗しても再挑戦したり、別の挑戦に移ったりできました。また、やりたいことがあっても発言しなかったら進まないので、どんどん意見を言っていました。おかげで大人になって社会に出ても、人前で意見を出すことには抵抗がないですね。
〔白羽〕先生が介入せずに子どもたちでコミュニケーションを取ることが多かったです。授業中はどんな発言があっても先生は否定しなかった。だから、自分の好きな意見をひたすら言えて、発言に対する抵抗は一切ありませんでした。自分たちでやろうとして、最後うまくいかなくても、楽しかったらそれは成功としてました。今、会社の代表として、手を上げてやった結果なら失敗しても、とがめることはしません。一生懸命なら〇、手を抜いたなら×、ただそれだけです。

◆「個性を伸ばす」ことに対してどう思いますか?
〔白羽〕僕ははげみ学習で体育ばっかりやっていました。学習を最後まで進めると、ほかの子にその教科を教えられるようになります。その時は自分の強みが伸びていると感じます。基礎知識を学ぶ機会はあった方がいいですが、高レベルな知識の範囲は自由に取捨選択できる状況であれば教育として成り立つんじゃないかと思います。
〔小林〕みんなが自分らしく生きられるというのはすごく大事。今、カテゴリで分けない自分らしさを持つ多様性の時代です。カテゴリで区別するのではなく、ほんとは一人ひとりがみんな違うはずなんですよね。〔小澤〕誰かの小さな個性を見つけることが大事だと思います。他人から小さいことを認められるとそれだけでもうれしいので。小さいことでも自分らしさを出していくことが大切だなと思います。
〔鈴木〕緒川小の「個性」は「自分のしたいことを自由につきつめる」ではなく、「他者の尊重」が前提にあると思います。小澤さんの「みんなが楽しめる料理を作りたい」はまさにそう。緒川小は他者の存在もあった上での個性を学べる環境だったなと思います。

◆何かを学びたい人へメッセージを!
〔白羽〕人と関わるというのは絶対人のためになるので、人と関わる機会を多く作ってほしいです。その人が幸せになることを考えていけば、自分の個性はどんどん生まれてくる。誰かを幸せにするために使える自分の個性は何だろうって考えた方がいいと思います。ない」というのをまず伝えたいです。今さらとか、楽しくなるわけないとか、省エネで行こうとか考えるのではなく、やらないよりはやった方がいいし、それはいつからでもいいと思います。手を挙げて責任や面倒が増えるかもですが、楽しませるのは自分なので主体性は大切かなと。
〔鈴木〕私は大学で教員養成に携わっていますが、教師という仕事は「子どもたちと一緒に学べること」が一番の魅力。「何かを学びたい」気持ちを持つ人には、ぜひ教員になってほしいです!
〔小澤〕新体操を習っていた時、昇格試験で技術は足りてなかったけど、コーチの助言を自分のものにできることが認められて合格をもらったことがあります。最後まで頑張れば認めてくれる人がいる。認めてくれたことは自分の強みになります。結果を出すことがすべてではなく、最後までやりきることが大切だと思います。

自分のやりたいこと、やりたかったことはありませんか?個性は一人ひとり違ってこそです。個性を磨いてさらに光らせるために、一歩を踏み出してみませんか。