くらし 市長コラム

◆戦後80年を迎えて
1931年の満州事変に始まり、1945年8月6日に広島、9日に長崎へ原爆が投下され、日本は世界で唯一の被爆国となりましたが、足掛け15年にも及んだ戦争は、1945年8月15日正午に昭和天皇がラジオを通じて日本の降伏を国民に伝えたことによって終結を迎えました。
戦後、平和を願う国民のたゆまぬ努力によって、荒廃した国土と経済を立て直し、日本は見事に復興を果たしました。

今日、私たちが当然のように享受している平和と繁栄が、戦争で亡くなられた方々の犠牲と、ご遺族の皆さまの苦難の歴史の上に築かれたものであることを、この機会に改めて、市民の皆さまと共通の想いとしたいと考えています。
現在も国際社会では、ウクライナやガザ地区などの国や地域で戦争・紛争が続いており、多くの尊い命が犠牲となっていることは、本当に悲しく残念であり、深い憤りを覚えます。
今もなお、遺族の悲しみは続いているため、歳月がいかに流れても、戦争の悲惨さと愚かさを風化させることなく、我が国の歩んだこの歴史をしっかりと省み、未来へと繋いでいきたいと考えています。

今年は、戦後80年という節目の年に当たります。戦争を体験した方々がお亡くなりになり、記憶や生の証言が失われていく今日ですが、「井戸の水を飲む時には、井戸を掘った人の苦労を思え」の言葉のとおり、今一度、先人のご苦労のお陰で今があることを、市民の皆さまとともに心に刻んでいきたいと思います。今年も8月15日には半旗を掲げ正午に黙とうをささげますので、できれば皆さまもご参加をお願いします。

松阪市長 竹上真人