- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県尾鷲市
- 広報紙名 : 広報おわせ 令和7年4月号
■チダイ
チダイはタイ科チダイ属の魚で、北海道南部以南の日本沿岸、東シナ海、朝鮮半島南岸・東岸に分布しています。当地では主に定置網で漁獲されたものが水揚げされます。産卵期は地域によって異なり、山形では夏から秋、九州では秋から春という報告があります。稚魚(ちぎょ)は湾内の砂地で育ち、冬は深場で越冬するとされています。
近縁種(きんえんしゅ)のマダイと姿かたちが良く似ており、チダイはエラ蓋(ぶた)の後縁(こうえん)が真紅(しんく)に縁どられていること、尾びれの後縁がマダイは黒く縁どられているのに対し、チダイは黒い縁取りが無いことで見分けられます。チダイはマダイよりも成長が遅く、大きいもので1mを超えるマダイに対し、チダイは大きいものでも40cm程度です。
チダイの味はマダイと似ており、同じような調理法で食べるといいでしょう。江戸前寿司には、伝統的なカスゴ(春日子あるいは春子)というネタがあります。カスゴとは、マダイ、チダイ、キダイ(レンコダイ)の幼魚の総称で、皮付きで酢〆(すじめ)にしたものが握りになります。チダイはマダイよりも皮の色合いが淡くて綺麗で、皮が柔らかいため、カスゴの握りはチダイを好むすし職人さんも多いようです。