- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県鳥羽市
- 広報紙名 : 広報とば 令和7年12月1日号
■鳥羽市での里海事業
三重大学大学院生物資源学研究科附属紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンスセンター附帯施設水産実験所が小浜町に移転して5年目となり、地域のみなさんの協力の下で進めてきたさまざまな教育・研究プロジェクトが育ってきています。今回は鳥羽市での里海事業についてご紹介します。
鳥羽市はその全域が伊勢志摩国立公園に含まれており、人と自然の共生が特徴です。今このような、人々の生活と自然環境が深く関係しつつもその環境が守られている沿岸海域を里さと海うみと呼んでいます。鳥羽市では、さまざまなかたがこの里海を守り、未来へ繋いでいくために活動しており、環境省が行っている令和7年度戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業(以下、里海事業)の実施エリアに選定されています。三重大学は、これまでに行ってきた海洋教育推進事業など、鳥羽市で活躍するかたがたと共にこの里海事業の一部を実施しつつ、そのまとめ役を担っています。
里海事業は大きく分けて3つの要素で構成されています。鳥羽の自然・文化を地域資源と捉え、それらの(1)環境モニタリング(状況把握)と、それらを活用した(2)海洋教育プログラムの開発と実施、(3)観光プログラムの開発と実施を行っています。
(1)では、海女さんが潜る海の海藻の様子を調べたり、海洋教育プログラムの実施場所となっている磯場の生き物を調べるなど、身近な海域の調査を行っています。(2)は鳥羽の豊かな生態系を題材にした生物観察を中心としています。(3)では、海女文化をテーマにしたプログラムを開発中です。(1)やアンケート調査などの結果を元に、より良いプログラムになるよう改善を続けていきます。
海を未来へと繋いでいくために今必要なことのひとつは、将来の担い手が生まれ続ける仕組みづくりだと考えています。今の子どもや、若い人たちはどのような地域で暮らし、活躍することを望んでいるのでしょうか。児童・生徒そして保護者のみなさんへのアンケート調査やインタビュー調査を分析することによって、若い人たちは鳥羽が好きだということ、将来鳥羽に住みたいと考えるようになった人がいることや、必ずしも都会に住みたいわけではないということも分かってきています。地域の自然環境や文化を題材とした海洋教育・観光プログラムをより洗練していくことで、地域の魅力を余すことなく子どもたちや鳥羽を訪れる人々に伝えることができるようになれば、そこから将来の担い手が生まれ続けると期待しています。(助教・山本)
問合せ:三重大学海女研究センター(三重大学人文学部総務担当)
【電話】059-231-9196
