- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県鳥羽市
- 広報紙名 : 広報とば 令和7年2月1日号
■ちょっと長かったかな
先月、鳥羽市20歳はたちの会が開催されました。テーマは「群青~あの頃の青春を~」。「群青」とは鮮やかな深い青色のこと。また、青色が寄り集まって深い色になったという意味があるそうです。20歳のみなさんはコロナ禍に卒業式を迎え、あいまいな別れ方をした世代です。この日の会があの頃の続きだと思い、悔いのない20歳の会をと企画されました。
私はお祝いのメッセージとして、ちょっと多いかなと思いつつ、次の3つの「つながり」についてお話しました。
(1)答志島では中学校を卒業した男子は、数人で寝屋親の下で生活をする寝屋子制度というものがあります。一定の共同生活をすることで、実の親とは別の新たな親子・兄弟の絆を結ぶもので日本中でも今は答志島にしか残っていないと言われています。このところその寝屋子制度に関心を示す研究者が特に多く、一緒に来られたゼミ生のみなさんもその仕組みに魅了されるのが特徴的です。都市部は人間関係が希薄であるが故に今だからこそ寝屋子制度のような濃密な人と人との「つながり」を欲しているのかと思います。そんな現代の世の中の不安を払拭するヒントがこの鳥羽に残っているのです。
(2)今、鳥羽では50年ぶりに鳥羽駅前から中心部にかけてのまちづくりを進めています。鳥羽駅前は電車、車、船の文字通りの結節点です。なかでも駅から歩いて5分のところには船乗場がある結節点は全国的にみてもそう多くありません。その港、マリンターミナルからつなぐ市営定期船は4つの島の約2700人の住民をつないでいます。海で隔てられているから離島なのではなく、海で「つながっている」のだと考えてはどうでしょうか。
(3)1月1日から「はたちの献血」キャンペーンが始まっています。この機会にみなさんも献血にチャレンジされてはいかがでしょうか?献血ほど手軽なボランティアはありません。わずか30分から1時間ほどで、世の中の役に立てたと実感でき、驚くほど手軽に社会との「つながり」が感じられるのが献血です。私自身、20歳の時に東京で、はたちの献血キャンペーンが目にとまり、献血バスに吸い込まれていったのがきっかけです。爾来(じらい)、この世の中とのつながり感を若い世代に伝えなければと思っています。体調や個人差のこともあるので全てのかたにお勧めできるものではありませんが、可能なかたは20歳という機会に始められてはいかがでしょうか。
やっぱり長かったですね、反省です。