くらし 菰野の水道(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県菰野町
- 広報紙名 : 広報こもの 令和7年5月号
誇れる水を次の世代に残すために
■菰野町の水道の現状と課題
菰野町の上水道(以下「水道」)事業のスタートは、昭和38年2月に遡ります。最初は、菰野地区の人口一万人から始まり、事業開始から約40年経った平成28年には、ほぼ100%の普及率となりました。私たちの生活に欠かせない重要なインフラの一つとして、約60年にわたって安全でおいしい水を供給してきた菰野町の水道事業ですが、現在いくつかの課題を抱えています。水道管や配水池などの水道施設の耐用年数は40年とされていますが、その年数を越えた、あるいは近い将来に越えてしまう施設が増加しており、老朽化が進んでいます。水道施設の老朽化が進むと、漏水や故障、破損のリスクが高まり、予期せぬトラブルを招く可能性があります。この問題に対応するためには、老朽化した施設の更新や修繕が必要です。全国的にも水道施設の老朽化や、それに付随するトラブルが問題となっており、早期の対応が求められています。
また、近い将来に発生が予測されている南海トラフ地震などの自然災害に備えて、水道施設の耐震化を進める必要があります。いざという時に水の供給が途絶えないよう、耐震化を進めることは、町民の皆さんの生活を守るためにも必要不可欠です。しかし、節水機器の普及や、ライフスタイルの変化、人口減少などを理由に水需要が減少し、給水収益が減少しています。その一方で、電気料金の高騰や、労務単価の上昇により、水道施設の維持費や工事費が増加しており、水道事業を取り巻く経営環境は非常に厳しい状況に置かれています。水道事業は地方公営企業で、水道料金収入で経営しており、原則、税金が充てられることはありません。そのため、安全・安心な水を将来にわたってご家庭や事業所にお届けするため、令和7年10月請求分から水道料金を改定します。皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
《INFORMATION》菰野清水販売中
鈴鹿山脈に降り積もった雪の融水や雨水が100年以上かけてろ過された原水を、非加熱で除菌したミネラル豊富な天然水です。ピュアで美味しい菰野の水をぜひご賞味ください。
販売場所:上下水道課(役場本庁2階)、道の駅菰野ふるさと館
販売価格:140円(税込)
■水道管の老朽化対策
耐用年数である40年を越えた水道管は「老朽管」と呼ばれます。町では、老朽化状況や財政計画を踏まえて、優先度の高い老朽管から順次、更新工事を行っています。
・既設水道管との連絡部分。既設水道管と接続しながら新たな水道管に更新していきます。
・最新の耐震性、耐久性を兼ね備えた「GX形ダクタイル鋳鉄管」。100年の使用が期待される水道管です。
■水道施設の耐震化
令和6年に発生した能登半島地震は水道施設に甚大な被害をもたらし、被災地は長期間の断水に見舞われました。近い将来に発生が危惧されている南海トラフ地震などの災害に備えて、町内にある各浄水場では耐震化工事が行われており、令和7年3月に潤田浄水場の耐震化工事が完了しました。
《COLUMN》水道水が届くまで
(1)原水の取水
水道水のもとになる「原水」は井戸などから汲み上げられます。菰野町では、約200メートルの深さにある帯水層という地層から、深井戸を使って汲み上げています。
(2)浄水処理
原水を次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、安全で綺麗な水道水にします。
(3)水質検査
水道水の安全を保つために、定期的に水質検査を行っています。法令で定められた基準に基づいた検査を通して、水道水が安全であることを確認しています。
(4)各家庭へ
浄水処理されて検査をクリアした水道水が、家庭の蛇口に届きます。私たちが毎日使っている水は、このような工程を経て、つくられています。