- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県御浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年3月号 No.671
■榎本出雲守(えのもといずものかみ)の墓石群(ぼせきぐん)
榎本出雲守の墓石群は、御浜町神木の上地地区にあります。
榎本家は、宇井家、鈴木家とともに熊野三党と言われ、熊野権現をまつる一族として大きな勢力を誇っていました。平安時代、榎本家は熊野市有馬町にある産田神社の神官として移り住み、のちに有馬氏を名乗り、武士団として勢力を四方に拡大していました。
榎本出雲守は、神木の上地地区に屋敷を構えていたと伝えられており、太田荘(現在の和歌山県那智勝浦町)に領地を有していたとされています。
その屋敷跡とされる田んぼの一画に榎本出雲守の墓石群がまつられています。墓石群は、宝篋印塔(ほうきょういんとう)7基、五輪塔13基以上、石仏2基により構成され、一番古いもので室町時代(14世紀中頃)に建立されたと推定されています。それ以外の墓石等についても、室町時代から江戸時代にかけて建立されたと考えられており、現在も榎本家の人々によって丁重にまつられています。
文:御浜町文化財調査委員 辻(つじ)頼人(よりと)
問い合わせ先:教育委員会(中央公民館)
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