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■新編銀河鉄道の夜
宮沢賢治 著
新潮社
病に伏せる母親を助け、学校に通いながら活版所で働く少年ジョバンニ。漁に出たまま戻らない父親のことを同級生たちにからかわれ、親友カンパネルラとも距離ができてしまいます。孤独感を抱えたまま迎えたケンタウル祭(星祭)の夜、ジョバンニは町外れの丘で一人星を眺めていました。すると突然、光が現われ気が付くとジョバンニは列車の中にいたのでした。そこにはカンパネルラの姿もあり、二人の星を巡る銀河鉄道の旅が始まります。
独特な文体、詩的で抽象的な表現・造語などに読みづらさと難解さを感じます。未完成の作品であることも理由の一つでしょう。それでも、星座と宝石を散りばめて描かれた銀河は幻想的で、いつの間にか読者も俯瞰するように世界に入りこんでしまいます。読み返すほどその光景は鮮明になり、自分なりの解釈が深まる作品です。

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