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■「バイアス」って何だろう?
◆「バイアス」という言葉が表すもの
「バイアス」という言葉を見聞きしたことはあるでしょうか。もともとは英語の〝bias〟からきており、直訳すると「偏り」「偏見」を意味します。
よく「バイアスがかかる」と表現されることがありますが、これは、物事に対する決めつけや思い込みによって、判断に偏りが生まれて、公正さや公平さが損なわれることを表しています。
地域や学校、職場などの対人関係や、ニュースやSNSといった情報に触れるときなど、さまざまな場面で、自分の考えにバイアスがかかってしまうことがあります。
バイアスは日常生活の中で、無意識のうちに私たちの意思決定や判断に影響を及ぼしています。

◆さまざまな種類のバイアス
バイアスの例としては、次のようなものがあります。

◇ステレオタイプ
「あるグループの人々はみんな同じように行動する」という、固定的なイメージや見方のことです。例えば「女の子はピンクが好きで、男の子は青が好き」などです。

◇確証バイアス
自分の主張を支持する情報だけを探し、それ以外の情報を無視する傾向のことです。例えば「SNSで自分の意見と協調する情報を見つけたら共有する一方で、異なる意見はブロックして見ないようにする」などです。

◇正常性バイアス
「普段から問題がなく、うまくいっている状況はこれからも続くだろう」と過度に楽観的に考える心理的な傾向です。例えば「応援しているスポーツチームがこれまで順調に勝ってきたので、次の試合も勝てるだろう」などです。

◆バイアスによって生み出される恐れがあるもの
特定のグループや個人に対する誤った認識や無意識の先入観といったバイアスが、差別の引き金になることがあります。
例えば「ある特定の人々は、礼儀正しく、清潔感がある」といったようにステレオタイプに当てはめてしまうと、その視点から一方的に判断して、そうでない状況にがっかりしたり、仲間外れにしようとしたりするかもしれません。
また、人種、性別、年齢、宗教、身体的・精神的な能力、性的指向など、さまざまな個人の特性に基づいて、差別は生み出される恐れがあります。バイアスがもととなって、職場での昇進や採用、学校での評価、社会的な待遇など、さまざまな状況で平等な機会を得られず、公正でない扱いを受けるといった事態につながりかねません。

◆あらゆる差別のない世の中をめざして
差別のない社会をつくっていくためには、自身の内側に、バイアスが存在するかもしれないことに気付くこと、また、バイアスが自分の思考や行動にどのような影響を及ぼしているかを理解することが重要です。そして、他人を一方的な価値観で判断せず、異なる立場や視点を尊重する姿勢を持つことが大切であると考えられます。
市では、人権学習教材として学習冊子「めざめ」を毎年9月に配布している他、DVDや図書、パネルの貸し出しを行っています。教材をきっかけとして、周りの人と一緒に、自身の内側にあるものの見方について、考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

問合せ:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070