- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県草津市
- 広報紙名 : 広報くさつ 令和7年8月号
■アオバナ絞り機
今回紹介するアオバナ絞り機は、草津名産“青花紙”を作るときに使う道具です。青花紙の歴史は古く、6月号で紹介した江戸時代後期の画僧、横井金谷(よこいきんこく)も伝記の中で紹介しています。
もとは草津小学校に保管されていたもので、厚さ2cmほどの板を箱型に組み合わせた形をしています。絞り機の片側には絞ったアオバナの汁を流すための口が付き、中にはアオバナの汁を流れやすくするための溝が付いています。
このアオバナ絞り機は、摘み終わった花びらを、汁が出やすいように手でつぶしておき、絞り機の中に入れ、蓋をし、柱の穴に通した天秤(びん)棒に重しを掛けることで、てこの原理でアオバナを絞り、多量の汁を取ることができました。
このアオバナ絞り機が使われていた年代は不明ですが、寛政9(1797)年刊行の『東海道名所図会』にも同様の形状のものが見受けられるため、江戸時代頃から昭和前期の、草津での青花紙作りが盛んであった時期と考えられます。青花紙については、草津宿街道交流館のホームページで紹介していますので、併せてご覧ください。
問合せ:草津宿街道交流館(草津三)
【電話】567-0030
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