文化 くりちゃんガイドと歩くりっとう新発見!

■旧東海道・後編 手原駅から草津本陣へ
くりちゃんガイド(栗東市ボランティア観光ガイド)とのまち歩きは、普段は何気なく通り過ぎているところに新しい発見があります。
旧東海道を手原駅から草津本陣へ向かうおすすめの散歩コースを紹介します。

1.手原醤油「塩屋藤五郎」
手原醤油は屋号を「塩屋藤五郎」といい、三代目里内藤五郎は道路整備、栗太銀行創設など明治維新後の郷土発展に尽力。醤油作りでは原料の精選、品質の佳良に留意し、勤勉節約の家訓を守り隆盛させました。4代目も品質向上に努め、手原駅創設に多大の協力をしました。建物前には「手原醤油顕彰碑」があります。

▽屋号が残る街並み
伊勢落、林、六地蔵、小野、手原、岡に至る旧東海道には、昔の屋号が掲げられています。その数40有余。東海道にはさまざまな生業があり屋号から往時の賑わいがしのべます。手原には、傘屋、酒屋、麹屋、料理屋などがありました。その一つが手原醤油「塩屋藤五郎」です。

2.鈎(まがり)の陣(じん)・歌碑と永正寺(えいしょうじ)
室町9代将軍足利義(よしひさ)尚が佐々木六角(ろっかく)討伐(とうばつ)で陣を構えた跡地といわれる永正寺は上鈎にあります。長享(ちょうきょう)元年(1487)から1年5か月、御所として栗東が政治の中心となりました。上鈎池土堤(どてい)には義尚ゆかりの「鈎の陣歌碑」があり公園となっています。父義政(よしまさ)や後土御門(ごつちみかど)天皇とやり取りした歌の石碑があり往時がしのばれます。

3.善性寺(ぜんしょうじ)と新日吉(しんびょうし)の霊水(れいすい)
川辺にある善性寺に、文政9年(1826)にオランダ医師シーボルトが江戸下向の折、立ち寄りました。シーボルト自身がこの旅の様子を記した『江戸参府紀行』によると、住職で植物学者でもある恵教(えきょう)を訪ね、スイレンなどが植えられた寺の庭を見物しました。
近くの稲荷神社先には金勝川の伏流水が湧き出る「新日吉の霊水」があります。きれいで冷たいことから旅人ののどを潤したと伝わります。

5.4.金勝川 旧川床下 水路遺構
金勝アルプスを源とする金勝川は岡地先で草津川に合流する長さ8.5km、流域面積20・54平方キロメートルの河川で、川底が地面より高い天井川です。平地化工事で目川地先の川底から石組がみつかりました。石組は左岸(カミ、目川池側)から右岸(シモ、旧東海道側)へ流れるヒコズ川が金勝川の下をくぐるためもので、カミからシモへ用水を送り、大水の際に”樋“としてシモの集落を守る役割を果たしていたそうです。

5.ほっこり庵
江戸時代から伝わる豆腐田楽(めがわ田楽)と菜飯が食べられる「ほっこり庵」(金・土曜日営業)は岡にあります。石部宿と草津宿の間の目川立場(たてば)(休憩所)にあった田楽茶屋を市内NPO法人くらすむ滋賀が復活させました。豆腐田楽に塗る地元味噌、塩漬けした大根菜や小松菜を混ぜ込んだ菜飯は絶妙な味です。周辺には人吉藩主が関ケ原の戦いで負傷し養生していた息子に対面した旧跡や膳所城から移築の大手門などがあります。

問合せ:商工観光労政課
【電話】551-0236【FAX】551-0148