- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県甲賀市
- 広報紙名 : 広報こうか 2025年2月1日号
◆第35回 手術支援ロボット導入から1年が経過して
副院長補佐/泌尿器科主任部長 金 哲將(キン テツショウ)
◇手術支援ロボットのメリットは?
手術支援ロボットを用いた手術は、3Dカメラによる鮮明かつ拡大機能をもつ良好な三次元視野のもとで、人間の手以上の可動域を持つアームを用いた正確で繊細な手術操作ができます。出血量の減少、小さな切開創による術後の疼とうつう痛軽減を含めた早期の術後回復の実現など、患者さんに多くのメリットがあります。このため、種々の手術に導入が進み、従来の手術(開腹・腹腔鏡)に取って代わりつつあります。
◇公立甲賀病院のロボット導入の状況は?
公立甲賀病院では、2023年9月に手術支援ロボットhinotori(ヒノトリ)を導入し、2024年1月に前立腺癌に対してロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術を施行しました。その後も手術を積み重ねながら、医師・看護師・臨床工学技士等のスタッフがチームを作り努力して参りました。約1年が経過しましたが、これまでに泌尿器科では前立腺癌に対する手術が21例、消化器外科では大腸癌に対して19例の手術が安全に行われ、ロボット支援手術の施設認定も取得しています。11月からは婦人科でもロボット支援手術がスタートしました。今後、多くの腹部手術がロボット支援下に施行できるように、術式の拡大を検討するとともに、手術支援ロボットの特性を活かし、患者さん毎に制癌性や術後の生活の質(QOL)両面を検討し、身体への負担を最小限にすることや機能温存を重視した手術を行ってまいります。
問合せ:公立甲賀病院「地域医療支援病院」「地域がん診療連携拠点病院」「滋賀医科大学地域医療教育研究拠点」
【電話】62-0234【FAX】63-0588