子育て 【特集】学校給食ができるまで

■東近江市の学校給食
学校給食は、子どもの心身の健全な育成と、より良い食生活に寄与することを目的に実施しています。安全、安心でおいしい学校給食を市内で統一して提供し、園児・児童および生徒の健康増進を図りながら、正しい食生活が身に付くよう食育の推進を図っています。
市内には3つ(湖東・能登川・蒲生)の学校給食センターがあり、文部科学省の学校給食衛生管理基準に沿った高度な衛生管理に基づき、一日当たり約12500食の給食を作り提供しています。
今回の特集では、子どもたちが楽しみにする給食が、給食センターでどのように作られ、届けられているのか、調理現場の流れや工夫、給食に込められた思いなどを紹介します。

■給食はどうやってみんなのお口に届くのかな?
・生産者
食材は、多くの人の手によって生産されています。お米は100パーセント市内産、野菜は市内産を優先して使用しています。
・検収
納入業者から当日使用分の食材を受け取り、状態や数量を一つ一つ確認します。
・下処理
野菜は、泥や異物を取り除くために、水を変えながら3回洗浄します。肉や魚は、下味を付ける作業を行います。
・調理
下処理した食材を大きな釜などを使って調理します。一つの釜で、約1,000食分が作れ、味を均一にするため混ぜるのにとても力が必要です。
・検食(センター)
食品に異味・異臭などの異常がないか、一食分としての量が適当か、味付け、香り、色彩などが適当か、センターの職員が出来上がった給食を食べて検査します。
・配送
給食をトラックに積み、各校(園)に配送
・検食(学校)
学校に給食が到着したら、児童が給食を食べる30分前までに先生が検食を行います。
・配膳
給食当番さんありがとう
・食缶の回収、残食の記録、洗浄
市内全体の給食の状況を把握し、献立の見直しなどをするため、残食を各教室ごとに計量し、記録します。その後、食器や食缶を洗浄し、乾燥させます。

■今日の献立
2月18日の給食です
この日は、「せんいちゃんの日」の献立でした。

「せんいちゃんの日」
毎日の食事で不足しやすい食物繊維を多く含む食材を使用した献立

・いかのいそべ揚げ
衣にあおさのりを加えたイカの揚げ物で、子どもたちに人気のあるメニューの一つです。
・梅和え
食物繊維が多く含まれているもやし、ほうれん草を使用しています。
・ごはん
市内産米「みずかがみ」を各給食センターで炊いています。
お米は、市内産を100パーセント使用しています。
・牛乳
毎日200ccのパックがつきます。給食の牛乳は、滋賀県内の乳牛から生産されたものです。
・豚じゃが
食物繊維が多く含まれているじゃがいもやにんじんがたくさん使用しています。

▼市内では、毎月「鉄ちゃんの日」、「せんいちゃんの日」、「カルちゃんの日」を設け、それぞれ鉄分、食物繊維、カルシウムを多く含む献立の給食を提供しています。
各キャラクターが食器に印刷されています。

◇鉄ちゃん
・鉄分とは
体の中を流れる血液を作ったり、生きていくために大切な酸素を体中に送る働きをしています。鉄分の不足が続くと、酸素が十分にいきわたらず、疲れやすくなったり貧血の症状が現れたりします。

◇せんいちゃん
・食物繊維とは
私たちが健康な体を保つためには、栄養を摂るほかに体の中の老廃物を外に出すことが大切です。便秘予防、血糖値の上昇抑制など、重要な役割を果たしています。

◇カルちゃん
・カルシウムとは
丈夫な骨や歯を作る栄養素です。乳製品のカルシウムは、魚や海藻類に比べて吸収率が高いと言われています。毎日の給食についている牛乳を飲んで元気に過ごしましょう。

■調理員さん、栄養教諭さんにインタビュー
▽おすすめの給食メニューは?
学校給食では、昆布やかつお、煮干しで一から出汁を取っているため一番出汁のうま味がよくわかる「お味噌汁」です。もう一つは、県内産の食材がたくさん使われている「すき焼き」です。調理に手間がかかりますが、その分野菜のうま味が浸み込んでいます。

▽給食を作っていて良かったと思うことは?
「おいしかった」の声を聞いたときです。給食センターで働いているので直接子どもの声を聞くことはありませんが、栄養士の先生から「好評でしたよ」と聞いたときや返却された食缶が空っぽたっだときなどは、とてもうれしいです。

▽おすすめの給食メニューは?
「さばのみそ煮」です。魚が苦手な子どもにもおいしく食べてもらえるよう、青魚が持つ独特の臭みを消すなど、調理員さんが工夫してくれています。

▽献立作りで力を入れているところは?
子どもたちの好きな献立だけでなく、普段の食事で不足しがちな栄養素や適塩に配慮したバランスが良く、残さず食べてもらえる献立を作ることです。
また、食文化の継承の観点から和食を中心とした献立のほかに、行事食や郷土料理などの提供は、食育を推進する上で重要なことだと考えています。

■給食に込めた思い
給食には、たくさんの思いが込められています。農家が米や野菜などを作り、栄養が偏らないよう栄養教諭が献立を考え、調理員が子どもたちに喜んで給食を食べてもらえるよう調理しています。これからも子どもたちの笑顔が見られるおいしい給食が提供できるよう工夫し、取り組んでいきます。

■食育・レシピ動画を公開中
市ホームページでは、食育活動の一つとして、食育・レシピ動画を公開しています。親子で一緒に作ってみてください。

問合せ:学校給食センター(蒲生学校給食センター)
【IP電話】050-5802-9855【FAX】0748-55-5730