- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県愛荘町
- 広報紙名 : 広報あいしょう 2025年6月号
■令和7年度夏季特別展「木でつくる・木であそぶ滋賀の木工展」
展示資料紹介:「西川作平ノ聞取書」について
6月14日から開催する、令和7年度夏季特別展「木でつくる・木であそぶ滋賀の木工展」の展示資料のひとつ〔西川作平ノ聞取書〕についてご紹介します。
この資料には、西川作平が「山榿(やまはんのき)」を発見した動機や山榿に関する詳細な情報が記されています。なお、山榿は別名「ヒメヤシャブシ」とも呼ばれます。
かつて秦川山や向山の共有林では、燃料や肥料にするための伐採が盛んに行われ、山は荒れてしまいました。特に里山である向山は荒廃が著しく、2~3日続けて雨が降るとすぐに洪水が発生し、住民たちはその被害に常に悩まされていました。
天保13年(1842)3月、斧磨村(現在の愛荘町大字斧磨)に生まれた作平は、こうした山の荒廃を憂い、時間があれば松の苗を植えて山の回復に努めていました。しかし、なかなか成果が出ない日々が続いていました。
ある日、松の木の陰に繁茂していた山榿を偶然発見し、これを禿山に移植したところ、見事に生育に成功。翌々年には、周囲の崖にも広がるほどに繁殖し、非常に良好な結果が得られました。そこで作平は、西澤和助という人物に命じて数か所に山榿を移植したところ、こちらでも同様の成果が得られました。
この取組によって山腹の砂防対策に大きな道が開かれ、山榿は県内でも広く栽培されるようになりました。特に甲賀郡岩根村(現在の湖南市)を中心とした植林に大きく貢献したとされています。
その後も作平は植林活動を続け、彼の功績は県内にとどまらず、遠く朝鮮半島にも伝わったといわれています。
明治45年(1912)には滋賀県知事から表彰状を授与され、大正7年(1918)に77歳で逝去。大正12年には大日本山林会総裁賞が追賞され、その名声は「ヒメヤシャブシ」とともに今に伝えられています。
本展示ではこのほかにも、私たちと木との関わりの歴史を振り返るとともに、現代の森林保全や森林整備に関する取組も紹介します。ぜひご覧ください。
▽博物館展覧会開催予告「木でつくる・木であそぶ滋賀の木工展」
開催期間:令和7年6月14日(土)から8月24日(日)まで
会場:歴史文化博物館企画展示室
開館時間:午前10時から午後5時まで(最終受付は午後4時30分まで)
休館日:月・火、祝日の翌日(ただし祝日の場合は開館)
展示解説:6月15日(日)、7月27日(日)、8月10日(日)午前11時から、午後2時から
入館料:大人300円子ども150円(町内在住者の方は無料・要観覧券)
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日時:7月6日(日)14:00から
場所:ハーティーセンター秦荘大ホール
入場料:全席指定1,500円(当日300円増)※税込、中学生以下無料(チケット要)
出演者:笑福亭晃瓶ほか
プレイガイド:ハーティーセンター秦荘、愛知川公民館、るーぶる愛知川