しごと 人材育成の循環で地域産業を活性化~ウズベキスタンとの人材育成交流~(1)

日本で働く外国人は年々増加しています。少子高齢化が進み、産業活動を担う労働力人口の不足が深刻化している日本では、これを解消する一つのカギとして外国人人材の雇用を進めており、舞鶴市でも産業・福祉・医療などの分野で多くの外国人が活躍しています。言葉や文化の違いはありますが、外国の優秀な人材が舞鶴市で学び働くことは、地域産業に新たな活性化をもたらします。
今回はその中で、舞鶴市で活躍するウズベキスタン人と市の取り組みを紹介します。

■留学から就労の循環で産業技術人材を育成
戦後の抑留と引き揚げを縁に始まった舞鶴市とウズベキスタン共和国との交流の一つとして、令和元年にリシタン地方と交換した「人材育成交流に関する覚書」に基づき、ウズベキスタンの産業技術分野での発展に貢献できる人材を育成するため、令和4年から同地方からの留学生の受け入れを行っています。同地方にある日本語学校「Noriko学級」の生徒が、近畿職業能力開発大学校京都校(以下、近畿能開大京都校)に留学し、卒業後は舞鶴市内の企業に就労しています。市内企業で長期にわたって働き、専門技術を身に付けることは、本国の将来を担う人材を育成するほか、市内での就労人材の確保や定住にもつながります。
令和4年に来日した留学1期生3人は、昨年4月からそれぞれ市内企業で働き、本市の産業を支える一員となっています。

■在学生はものづくりの知識と技術を学ぶ
現在、近畿能開大京都校には2年生3人、1年生2人、合計5人の留学生が在学しており、いずれも舞鶴市の強みである「ものづくり」の知識と技術を幅広く学ぶ生産機械技術科を専攻しています。今年4月には2年生は市内企業に就職、また新たに4期生3人が留学する予定です。
舞鶴市では、卒業後の3年間は市内で働くことを条件に、入学金と授業料の返還を不要とする奨学金制度のほか、ふるさと納税の寄付金を活用し、日本への渡航費や2年間の生活費の一部を補助するなど留学生を支援しています。

■リシタン地方との覚書による産業技術人材育成の循環

◇Noriko学級と舞鶴市の交流
・Noriko学級とは
リシタン地方にあるNoriko学級は、ボランティアで日本人が講師となり、日本語や日本文化を教える語学学校です。故大崎重勝さん、紀子さん夫妻がリシタン市を訪問した際、子ども達の未来のために何かしたいという思いから、現校長のナジロフ・ガニシェルさんなどとともに平成11年に開校されました。
Noriko学級の生徒は、日本文化に興味を持ち、将来は日本で学びたい、働きたいと夢見て、熱心に日本語を学び、卒業生の多くは、日本に留学・就労しています。

・交流のはじまり
舞鶴市内にNoriko学級での講師経験者がいる縁から、平成31年1月と令和元年5月にナジロフ校長が舞鶴市役所を訪問。生徒の舞鶴市への留学や就労など、人的交流の可能性について意見交換を行いました。また、同年8月に市の代表団と市民訪問団がウズベキスタンを訪問した際、Noriko学級の生徒と交流するなど、市民同士の交流も活発になり、同年11月の人材育成交流に関する覚書の交換につながりました。

担当:みなと振興・国際交流課