- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府舞鶴市
- 広報紙名 : 広報まいづる 2025年9月号 Vol.1075
昨年、引き揚げをテーマに大きな感動を呼んだ朗読劇READING WORLD。今年は8月2日〜4日に、著名な声優やアーティストを迎え、新たなストーリー ユネスコ世界記憶遺産「舞鶴への生還『約束の鎮魂歌(レクイエム)』」が総合文化会館で開催されました。会場には、引き揚げの史実を伝える朗読と海上自衛隊舞鶴音楽隊の演奏が響き渡り、人々の心に深い感動と共感を呼びました。
朗読劇と連携し、会場から引揚記念館までのシャトルバスを運行。多くの来場者に記念館へ足を運んでいただきました。また、赤れんが博物館前広場、引揚記念館、東舞鶴駅構内の3カ所に、朗読劇のキービジュアル看板を設置しました。これらの取り組みを通じて、朗読劇をきっかけに多くの人に舞鶴の歴史や文化に触れていただくことができました。
ー主演を務められた緑川さんからのコメントー
昨年に引き続き、舞鶴市で『引き揚げ』をテーマにした朗読劇を開催させていただきました。今年は戦後80年という節目であり、前回にも増して舞鶴という地で行う意義があったと思っています。お話を伺うに、若い語り部の皆さんも育ってきているようなので、前回そして今回の朗読劇のように、さらに次の世代に語り継いでいっていただけたらと思います。
■Interview
東京から舞鶴を訪れた
山﨑 美佐 さん(左)、福田 佳那 さん(右)
朗読劇で初めて女性の抑留経験という歴史に触れ、居ても立ってもいられず、引揚記念館を訪れました。特に白樺の木の皮に記された「白樺日誌」を目の当たりにしたとき、朗読劇のシーンが鮮やかによみがえり、当時の人々がこの薄い木の皮に、どれだけの思いを託していたのかと想像し、胸が熱くなりました。朗読劇で心に響いた物語が、記念館で目にした当時の暮らしぶりや遺品と結び付き、残された品々が時を超えて歴史を語り継いできた重みを深く感じました。この場所には、私たちが次世代へと伝えていかなければならない、風化させてはいけない大切な記憶と教訓があると強く思います。
担当:観光振興課、引揚記念館