くらし 《特集》令和6年度決算報告 財務から見た京田辺(3)

■お金で見る市民ニーズへの対応力〔経常収支比率〕
令和6年度の経常収支比率(※)は、97.9%となり、昨年度から2.0ポイント悪化しました(下表参照)。これは、市税などの増加はあったものの、人件費・扶助費などの義務的経費が大幅に増加したためです。今後も、人件費・扶助費などの増加や市税収入の動向によって、さらに悪化することが考えられます。市は、引き続き経常収支比率の改善に向けて、財源確保や既存事業の見直しに取り組んでいきます。

◆経常収支比率とは
市税や国からの交付税など毎年決まって入ってくるお金(経常収入)が、人件費・扶助費・公共施設の維持管理費など毎年固定的に支払わなければならない経費(経常経費)にどれだけ使われたかを表した指標。
比率が高いと、自由に使えるお金が少ないことを表し、社会情勢の変化に対応しにくい、「財政に弾力性がない」ことになります。

◆財源確保に取り組んでいます!
◇ふるさと京田辺応援寄附金
返礼品の充実・申込サイトの拡充・PRの強化により、前年度比174%増の4億4千万円の寄付をいただきました。全国から寄せられた温かい応援は、子育て支援などさまざまな事業に活用しています。

◇企業版ふるさと納税
小学校水泳授業委託事業など13の地方創生プロジェクト事業に対し、17社から現金2,622万円、物品743万円相当の寄付をいただきました。

■特別会計と公営企業会計の状況
一般会計とは別に、特定の事業を行う場合や特定の収入で事業を行う場合に、ほかの会計と区分して経理している会計です。

◇特別会計

◇公営企業会計
(税込み)

※資本的収支の不足額は、補てん財源(損益勘定留保資金など)で補てん

◇監査委員からの意見
令和6年度の普通会計は黒字ですが、経常収支比率の悪化・地方債残高の増加・基金残高の減少など財政状況が前年度より悪化しています。
歳入については、ふるさと納税や市税が増加している市のポテンシャルを生かし、住み続けたいまちづくりの推進により、さらなる財源の確保に努めてください。
歳出については、今後も義務的経費などが増加し、財政の硬直化がより深刻化すると思われます。最小の経費で最大の効果を目指す基本姿勢を確認しつつ、より一層の事業の精査を図り、将来にわたって持続可能な財政構造を構築するよう求めます。