文化 シリーズ「木津川市の文化財を巡る」第85回

■木造役行者倚像(もくぞうえんのぎょうじゃいぞう)及び前鬼後鬼坐像(ぜんきごきざぞう) 神童寺(山城町神童子)
神童寺の収蔵庫に安置されている、修験道(しゅげんどう)の開祖とされる役行者と、前鬼・後鬼とよばれる役行者に仕えた夫婦の鬼の像です。収蔵庫が建つ位置に建っていた行者堂の、かつての本尊像です。
中央の役行者像は、朽木を組み合わせた窟(いわや)の内で腰を掛けて座る姿、前鬼と後鬼は、それぞれ水瓶(すいびょう)や斧を執って座る姿に表されています。
役行者像と前鬼・後鬼像とが一具で重要文化財に指定されているのは、全国的にみても鎌倉時代の1例のみという中、神童寺の像は鎌倉時代後期に溯る数少ない作例で、保存状態もよく、しかも本格的で優れた作風を示しています。当寺本尊蔵王権現像(ざおうごんげん)(市指定文化財)とともに修験道や金きん峯ぷ山せん信仰にかかわる資料であり、市の歴史文化を考える上で重要な存在であるとして、令和6年に市指定文化財となりました。

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