くらし 特集 災害は今起こるかもしれない(4)

■地域を守る消防団
「自分たちの地域は自分たちで守る」を基本理念に、現在172人の消防団員が活動しています。普段はさまざまな仕事についている人たちが、火災・風水害・地震時に消防団員として消防活動を行います。

◆来年は全国大会に
[消防団(入団12年目) 谷本雄大(たにもとゆうた)さん]
▽地域のつながりが生まれる
消防団に入る前は、訓練が厳しいイメージがありましたが、筋トレや走り込みなどはなく、辛いことは案外ありません。普段は、月に1回ほどのポンプ点検や地震や水害対応の訓練などを行っています。また、消防団の活動を通じて普段あまり関わらない人とも関わることができ、地域のつながりが生まれています。

▽防火防災意識が向上
普段の生活の中でサイレンが聞こえると、どこかで火災が起こっているんじゃないか、何かあったんじゃないかと反応してしまいます。また、大雨の予報や予兆がないかなど、天候の変化も気にしています。おそらく私だけではなく、消防団員は普段から気にしながら生活していると思います。

▽来年は京都府1番に
消防の放水技術を競う京都府消防操法大会という大会を見に行ったときは衝撃を受けました。京都府の上位になる消防団の技術はすごく、久御山はまだまだ伸びしろがあると感じました。
みんな仕事をしながら消防団で活動しているので、なかなか難しいところもあるとは思いますが、来年の京都府大会は1番になって、全国大会に出たいですね。

◆防火防災の大切さを伝えていく
[女性消防団(入団4年目) 巻野千奈津(まきのちなつ)さん]
▽私にも何かできることが
元々消防活動に興味があり、消防は「人を助けるかっこいい仕事」だと思っていました。ですので、私にも何かできることがあればやってみたいと思い入団しました。

▽女性でも活躍できる
入団前は重い物を持って走るなど、男性の役割というイメージが強かったので、女性でもできるか不安でしたが、実際は巡回や防火訪問など、女性でも活躍できる場面が多いと感じています。
女性消防団の活動は、防火防災に興味を持ってもらうためのイベント開催や、高齢者のお宅への防火訪問をしています。
みんなで意見を出し合って考えたイベントで、来場した皆さんが楽しんでいる姿を見るとやってよかったなと思います。

▽防火防災を高めて地域貢献
高齢者のお宅へ「火災報知器付けていますか」と、毎年防火訪問をしていると顔を覚えてくださり、「ありがとう」「お疲れ様」と言っていただけるんです。そう言っていただけるとやっぱり嬉しいですし、やりがいを感じますね。
私たちの役割は、イベントや訪問を通じて、防火防災の大切さを伝えることだと思っています。ですので、地域の防火防災意識を高めることが、私にできる地域貢献だと思っています。

◆災害時には消防団が必要
南海トラフ地震や豪雨災害など、大災害が発生した場合、あらゆる場所で家屋倒壊や浸水などの発生が予想され、消防職員・行政職員だけで対応することは困難になります。また、発災直後はすぐに消防や行政職員が駆け付けることができないこともあります。
そんなとき、消防団の存在が不可欠です。混乱した災害現場では、地元の地理や住民の状況を知っている地域の皆さんだからこそ助けられる財産や生命があります。また、平時からの防災訓練や防火パトロールなどを通じて、地域の防火防災意識を高めることで、実際に災害が起きたときに被害を最小限に抑えることにもつながります。
消防団は「地域を守る」ため、不可欠な存在です。

◆消防団員を募集しています
久御山町消防団では、団員を随時募集しています。
職業や性別は問いません。18歳以上の人で、消防団活動に支障のない人なら誰でも入団できます。
消防団員は階級に応じた年額報酬や災害活動のために出動した際の出動報酬、退職報奨金の制度があります。また、消防団活動中の怪我などを補償する公務災害補償や活動服などの被服貸与も行っています。年間を通して、災害対応や救急救命に関する訓練も行っていますので、知識やスキルの習得が可能です。
「暮らすまち」から「守るまち」へ。一緒に地域を守りましょう。
対象:町内在住・在勤の18歳以上の人

問合せ:消防本部
【電話】075-631-1515