- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市北区
- 広報紙名 : わがまち北区 令和7年3月号
地球規模の環境問題や社会課題の解決も、まずは一人ひとりの小さな実践の積み重ねから。毎月、区内の様々な活動をお伝えします。
■フリーペーパー専門店 はっち
◇無料の自由な紙媒体作る人・探す人 つなぐ場に
店内には全国から届いた約150種類のフリーペーパーが並びます。宅配便の仕事をひたすら追った写真集、建築家の目で見た旅の特集、ある映画監督の初期作品の紹介…。「はっち」店長の田中冬一郎さんは「フリーペーパーのフリーは無料ではなく、僕の中では『自由』なんです」。客はそれを自由に手に取り、持ち帰ることができます。
銀行に勤める田中さんが週3日、夜だけ営業する店を中津に開いたのは10年前。フリーペーパーを発行した経験もあり、「苦労して作っても置く場所がない、一方で、探そうとすると見つからない。このミスマッチを何とかしたいと思ったのです」
発行者から送られてくるフリーペーパーには手紙が添えられ、結婚や出産の報告があったり、学生が就職後に久しぶりに発行を再開したり。「発行者さんとの距離の近さが楽しいです」と田中さん。返事に代えて、インスタグラムで毎日2誌を紹介しています。さらに広く目に留まれば、と施設などの空きスペースに置いてもらう「間借り店」も関西5か所で展開しています。「自分の思いを形にしている発行者さんはすごいし、商売気がないから純度も高い。だから発行者さんが喜ぶことしか考えてないんです」
最近、SNSの世界が息苦しくて、アナログに流れてくる人がいるのを感じます。でも、学生たちのフリーペーパーからは、かつての“ばかばかしさ”が消え、起業やコスパ(コストパフォーマンス)の話がはやり、体裁まで似通ってきたのも気になります。「余裕がないんでしょうか。真面目が悪いわけじゃないけど、ネットの“おすすめ”では決して出てこないものに遭遇してほしい。だからこの場は守らなきゃ、と思っています」
2月末、店を近くのUPCYCLE中津荘に移転。平日昼の無人営業も始めました。
目標4:質の高い教育をみんなに
すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
SDGsチャレンジ…バーチャルではない、目の前にあるものに目を向けよう
はっちのInstagram
【HP】https://www.instagram.com/hatchinosaka/