- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府堺市
- 広報紙名 : 広報さかい 2025年5月号
■14.漆塗太鼓形酒筒(重要文化財)
このユニークな形をした酒筒(お酒の容器)は、4斗樽(とだる)のお酒が入りそうな大きさです。大きさもすごいのですが、胴のところに銘文が彫られている点がさらに貴重です。銘文によると、この酒筒は、今からおよそ550年前、行盛という僧侶によって天野山王院(和歌山県の丹生都比売神社にあったお寺)に寄進されました。木を削って細工をしたのが「四良次良(しろうじろう)」、漆を塗ったのが「次良五良(じろうごろう)」という人だということも書かれています。美しい造形と時を経てなお鮮やかな漆の朱色に、職人たちの魂を感じることができる逸品です。
この酒筒は堺市博物館で5月20日~7月13日に開催する企画展「堺の技と美工芸を彩るレッドandブルー」で展示します。講演会や須恵器作り体験などのイベント(要申込)も開催しますので、ぜひお越しください。