文化 堺が誇る色彩と用の美 注染(chusen)和晒(wazarashi)

注染は、和晒の布に染料を注いで染める伝統的な染色技法です。

■非日常を楽しむ
夏祭りや花火大会など、特別な「ハレの日」を浴衣で楽しんでみませんか。
堺で作られた注染の浴衣をまとって、非日常のひと時を満喫してください。

◇和晒ならではの肌触り
柔らかく、優しい肌触りを持つ和晒は、着心地も快適。
また、柄部分がインクで覆われてしまうプリントと異なり、注染では一本一本の糸に染料を染み込ませるため、和晒の通気性を損なうこともありません。

◇この時期だけの注染の浴衣展示・販売
期間限定で注染浴衣の展示と反物の販売を行います(手ぬぐい、扇子、日傘は常時販売)。

場所:堺伝匠館
日時:6月10~15日10~18時
(浴衣・反物販売は14・15日のみ)

■日常を豊かに
毎日の生活で使う日用品に、堺の伝統産品を取り入れてみませんか。
美しく、機能性に優れた「注染」の手ぬぐいが、何気ない日常のワンシーンを鮮やかに彩ってくれます。

◇注染(ちゅうせん)ならではの色彩と柄
表裏の両面から糸の芯まで染める注染は、色鮮やかに染め上がり、使い込んでも色あせないのが特徴です。
職人が手作業で染めるため、繊細で柔らかい「ぼかし」を生かした柄を表現できるのも魅力です。

◇和晒(わざらし)ならではの吸水性・速乾性
時間をかけて木綿の生地を釡で炊き上げる和晒は、空気を多く含んだ柔らかい風合いに仕上がります。そのため、吸水性・速乾性に優れています。

◇購入は堺伝匠館TAKUMI SHOPかオンラインショップで
堺伝匠館(堺区材木町西1丁1-30)では手ぬぐいや扇子など、さまざまな注染の雑貨を販売しています。オンラインショップでも購入できます。

■堺でしか生み出せない「注染」の鮮やかさ
注染は、和晒の生地を何枚も折り重ね、染料を注いで染める伝統的な染色技法。型紙を使って染色しない部分に糊(のり)を塗ったり、色が混ざらないように糊で土手を作ったりするための高度な職人技術が求められます。同様の技法は関東など他の地域にもありますが、ぼかしを生かした独特な染色や細かい柄の染め分けの技術こそ堺の注染の特徴です。

5月9~11日に大阪・関西万博大阪ウィークで注染製品をはじめ堺の伝統産品を展示します。

◇伝統を未来に受け継ぐ若い才能
Craftsperson:協和染晒工場 古川莉子さん
「地元の堺で伝統産業に関わる仕事がしたい」と思い、大学の授業で注染工場を見学したのを機に注染職人を志しました。実際に職人になると想像以上に力が必要で苦労もしましたが、自分が関わった商品が店頭やウェブサイトに並んでいるのを見ると誇らしくなります。同世代の友人は注染を知らない人も多いのですが、実際に商品を見ると気に入ってくれます。皆さんも一度お店で触れてみてください。

◇伝統を輝かせるクリエイターの視点
Designer:イラストレーター ハセガワ・アヤさん
現在の浴衣はデジタルプリントが主流ですが、注染はプリントにはない柔らかな質感が魅力です。そのため、柔らかさや繊細さを感じさせるデザインを心掛けています。色の種類や線の幅など、デザイン上の制約は多いのですが、その中でいかにオリジナリティを出せるかが醍醐味(だいごみ)です。
注染の浴衣は使い続けるほど風合いが出て着心地も良くなるので、親子代々で末長く愛用してほしいと思います。

問合せ:地域産業課
【電話】228-7534
【FAX】228-8816