- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府池田市
- 広報紙名 : 広報いけだ 2025年5月号
■COPD教育・リハビリ入院について
呼吸器内科部長 大谷 安司
COPD(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)は、さまざまな原因で慢性的に吸った息を吐き出しにくくなる疾患です。進行すると体重が減少し、呼吸によって二酸化炭素を体外に十分排出できなくなり、最終的には二酸化炭素が貯留する呼吸不全に至ることがあります。
COPDの患者の健康を支えるには、適切な栄養摂取および運動、吸入治療に気を付ける必要があります。例えば、運動前にエネルギー源となる食事を取り、運動後にタンパク質やビタミンを含む栄養を摂取することで、筋肉の修復を助けることができます。こうした包括的なケアを実践するには、正しい知識を学び、日常生活に取り入れることが大切です。
これまでにCOPDの教育を含めたリハビリ入院の要望が多方面からあったため、医師・看護師・理学療法士・薬剤師・管理栄養士がチームを組み、プログラムを作り上げ、4月から教育・リハビリ入院を開始しています。
教育入院では、肺の気腫の状態・筋肉量を測定するためにCT検査、肺活量や1秒率を測るため肺機能検査、全身の筋肉量を測定するInBody検査、骨粗しょう症の有無を調べるため骨塩定量、心エコー検査、血液検査が行われ、その結果に基づき、リハビリ指導や栄養指導が個別で行われます。
退院後も、治療が継続できるようにサポートします。各種検査の結果は紹介元の開業医に送付し、吸入治療や定期的な診察を継続していただきます。当院では、患者の呼吸機能や筋肉量を追跡するため、数カ月ごとの定期受診をお願いする予定です。
ご興味がある方は、かかりつけ医に相談してください。