くらし 【クローズアップ1】災害情報を逃さない(2)

■情報発信のプロに聞く 災害情報の受け止め方
◆同じ情報も複数ルートで確信に
災害情報は、1人でも多くの人に安全な行動に移ってもらうために発信されるものです。
複数の手段で情報を繰り返し受け取ると、行動心理が高まって、いざというときに自分を守ることにつながります。

・NHKコンテンツ戦略局 副部長 柴田健剛さん
たかつきデジタルタイムライン策定アドバイザリーボード会議の委員。
市の避難情報の判断方法などを助言

◆広く放送して二次発信に期待 受信者に合わせた複数の手段も用意
私が携わっているテレビ放送では、現在の状況をリアルタイムで、全国一斉に伝えます。
これは、停電などで当事者がテレビ放送を見れなくても、他の地域で見た人が、SNSや電話で二次的に伝えることができるからです。
危険な状況にいる人へ情報を届けるため、広く情報を発信することはとても大切です。
また、さまざまな属性の人たちに響く発信にも取り組んでいます。
例えば、障がい者にはデータ放送による文字情報やラジオ放送など複数の手段を用意して、これからどうすればいいのか予測情報を交え、受信者が命を守る行動に移ってもらえるように発信しています。

○災害情報への確信を高め自分の身を守る行動へ
テレビやラジオだけでなく、災害情報の発信者はそれぞれの特性を持っています。しかしながら、情報元はシングルボイスと言って、気象庁や国交省など出所は同じです。それを自治体やメディアなどが複数の手段で伝えているのです。
情報を受ける人は、スマホアプリやメール、SNSなど複数の手段、さらには知人などを通じて、同じ情報を繰り返し受け取ることで、情報への確信が高まります。みんなが言っているので、これは確かなんだ、行動しないといけないんだと感じるのです。
災害後の調査結果によると、自分以外の人が行動していることを知って、自らも避難行動に移ったことが分かっています。
過去の災害で、逃げ遅れは度々、教訓として伝えられています。自分に合った複数の手段で情報を入手し、行動に移していくことが重要です。
・情報を受け取るには、さまざまな手段がある

○日頃から情報を受け取る習慣を
お天気アプリなど、災害情報の取得ツールは日頃から役立つものも多いです。普段から使っているからこそ、災害の危険が迫ったとき、ホームページやスマホアプリなどのコンテンツが、赤や紫色の危機を知らせる色味や表記などに変わり、緊急性を伝えようとしていることに気付けるのです。
人は、訓練したことしかできないと言われます。私たちも、日常的にこういった情報に触れる手段を使っておくことで、危険を察知できるのです。
普段から使い慣れ、災害から身を守ることに役立ててください。

○家族への連絡にも備える
親と離れて暮らしている人には、両親のスマホにプッシュ通知で災害情報が自動的に伝わるよう設定してあげてほしいと思います。
また、自分自身のスマホで災害情報を受け取れるアプリを使用するときは、自宅と職場以外に、両親の家なども登録地点に加えてほしいです。
高齢者など、スマホアプリなどを駆使して自分でさまざまな情報を得ることが苦手な人には、家族からの電話などで情報を伝えられることが、とても有効な手段になります。

■やっぱりスマホがあると便利ですか?
◆スマホの良い点は?
▽情報を自動的に知らせてくれます
緊急の場合には、自動的にアプリが災害情報を知らせてくれます。
家族や知人からの情報共有も受けやすいので、災害の情報に触れる機会が自然と多くなります。

◆操作が苦手なんです
▽講座を利用してみて
スマホの使い方が苦手な人は、市が実施しているスマホ講座などに参加してみてはどうでしょうか。同じ年代の知り合いに教えてもらうのもお勧めです。

◆どのアプリがいいの?
▽好みで選んでOK
字が大きく見やすい、色味が良いなど、ストレスが少ないものを選んでください。
市の情報のほか、気象庁、国土交通省など、行政や公の機関の情報が見れるものがお勧め。

◆それでもスマホはムリ!
▽スマホがなくても大丈夫
大丈夫です。防災行政無線の放送内容を電話で確認することもできますし、テレビのデータ放送なども活用できます。
障がい者や1人暮らしの75歳以上の人は「緊急・災害情報伝達サービス」(本紙10ページ参照)のご利用を。

○普段からしっかり準備を
市では、今後も市民が災害時に安全確保の行動に移れるよう、迅速かつ分かりやすい表現で災害情報を発信していきます。
この特集を参考に、ぜひ、さまざまな手段で災害情報が受け取れるよう準備してください。

問合せ:危機管理室
【電話】674-7314