くらし 「誰かに話すという勇気ある一歩」を

■コミュニティソーシャルワーカー 近藤和明(こんどうかずあき)さん インタビュー
〜人と人とのつながりの輪で守口をもっと暮らしやすいまちに〜

CSW(コミュニティソーシャルワーカー)は、地域においてさまざまな生活課題により、困っている人を支援するために、地域の人材や制度、サービス、住民の援助などをつなぎあわせる役割を担っている人です。市では、守口市社会福祉協議会に委託し、CSWを2人配置しています。
今回は、CSWとして活躍されている守口市社会福祉協議会の近藤さんに、CSWの仕事について話を伺いました。

◆「代わりに解決するのではなく寄り添い、意思を尊重した決定をできるようなサポートを」
▽どんな仕事をしていますか?
困り事や悩みを抱えておられる方の相談をお聞きして、それを受け止めて、どうしたらよくなるのかをご本人やそのご家族と一緒に考えています。また、ご本人が安心して生活できるように、CSWとして持っている支援者や地域のつながりのネットワークを活用しながら、生活環境を整えるお手伝いをしています。

CSWは、ご本人に寄り添い、意思を尊重した決定ができるようにサポートすることで、ご本人が持っている力を高めることを大切にしています。そのため、すぐに困り事を解決できないことも多いですが、一緒に考えることで関係性をつくりながら、ご本人が困っていることだけでなく、その背景にあるものが何かをひもといていくお手伝いができたらと考えています。

▽どんな相談がありますか?
福祉の総合相談のため、お金・生活・家族のことなど内容はさまざまです。私が深く関わるものには、背景に複合的な課題があるようなものが多いです。例えば、権利擁護(成年後見など)やペットの多頭飼育崩壊、いわゆるゴミ屋敷など。また、ご本人ではなく、その方を支援する相談支援機関の職員からの相談も多くなっていますね。

▽相談を聞いて、どのような対応をしていますか?
相談を聞く中で、他の専門機関につなぐのがご本人にとって良いだろうと判断した場合は、そちらに相談を引き継ぐこともあります。そのため、ご本人と専門機関をしっかりとつなぐことができるよう、日頃から私自身も専門機関などと相談しあえる関係性を構築することを心がけています。また、相談をつないだ後も、アフターフォローをしっかりするように心がけています。

▽印象に残っていることはありますか?
いろいろありますが、地域の信用金庫の方からの相談でしょうか。
社会福祉協議会での事業をきっかけに関係構築ができていた地域の信用金庫の方が、普段のお客様の様子の変化をキャッチして、心配だと相談してくださり、支援につながったものです。ご本人が困っていない段階では、支援を必要と感じていないために受け入れが進まないことも多いのですが、普段から厚い信頼を寄せている信用金庫の方からの紹介により、ご本人の支援もスムーズでした。
このように、日頃から専門的な機関に限らず分野を超えて積極的に関係性を築いてきたことにより、地域の方からのSOSをキャッチでき、支援を必要とされている方の生活や命を守ることができたと実感した経験が、強く印象に残っています。

▽大切にしていることはなんですか?
繰り返しにはなりますが、地域の方々や支援関係者の皆さんとつながりあう関係性をつくる、「地域の仲間づくり」を大切にしています。また、私を介して、いろいろな相談支援機関や地域で活躍されている方がつながりあえるよう、働きかけています。
公的なものかを問わず、相談に関わる中で出会った地域の方や支援者と、困り事が解決した後も相談しあえる関係性が続いていることは、私にとって財産となっています。その輪がどんどん広がり、地域の仲間が増えていくことは、すべての人が暮らしやすい守口市をつくる、「福祉のまちづくり」につながると思います。

▽最後に、これを読まれた人に伝えたいことはありますか?
誰かに困り事を話すということは、とても勇気がいることです。誰かに相談しても解決できない、何も変わらないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、がんで苦しんでいる方が相談することでがんが消えることはなくとも、孤独感の緩和や病気の受容、生き方の変化などにつながることは期待できるんじゃないでしょうか。

私は「誰かに話すという勇気ある一歩」を踏み出せたら、それはもう問題が9割近く解決に近づいたんじゃないかと考えています。困り事を誰かに話すことで、自分の考えが整理されたり、向かい合うことで困り事が小さくなったり、つらい気持ちが和らぐこともあるからです。

困り事のある方はどなたでもかまいませんので、皆さんも、相談するという勇気ある一歩を踏み出していただけたら、そのあとは私や地域の仲間たちが一緒に解決に向けたお手伝いをさせてもらいます。もちろん、秘密はお守りしますので、安心してください。あなたもCSWに相談してみませんか。

・4月から仲間入りしました!
CSW 尾藤(びとう)さん

■相談窓口
藤田事務所・市内CC・市役所7階守口市社会福祉協議会で相談窓口を設置しており、直接相談できます。相談日時は毎月広報もりぐちで掲載しています。各相談窓口への事前予約は不要です。詳しくは、29ページの福祉の総合相談で確認してください。

※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。

問合せ:地域福祉課
【電話】06-6992-1570