しごと 健康・生きがいのための就労特集(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府枚方市
- 広報紙名 : 広報ひらかた 令和7年3月号 No.1339
■何する?第二の人生の自由時間
長寿化が進み、第二の人生の時間が長くなる人も。そんな中、社会参加の一つの形として働く高齢者が増えています。働くことは収入を得るだけでなく、人とつながり、誰かに必要とされていると実感することができます。自由時間を元気に過ごすため、使い方の選択肢に「就労」を加えてみませんか。
◆「働く高齢者」増えています
働くといっても、日数や時間は人それぞれ。自分に合ったペースで市内で働く人にインタビューしました!
グラフは総務省統計局「労働力調査」2023年結果概要を元に作成
◆退職後の時間は働いていた時間とほぼ同じ
◇65歳からの自由時間は
約7万2270時間
65歳時点の平均余命を約22年(※1)、娯楽などに使える時間を1日9時間(※2)と仮定して算出
◇65歳までの生涯労働時間は
約7万3620時間
年間総実労働時間を1636時間(※3)、労働年数を20歳から65歳までの45年と仮定して算出
※1参考:厚生労働省「令和5年簡易生命表」
※2参考:総務省統計局「令和3年社会生活基礎調査」
※3参考:厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和5年分確報
◆わたしの働き方1
仲間と考えて育てた野菜が売れるとやりがいを感じますね
□農業は素人からのスタート
農業の経験はありませんでしたが、日々勉強しながら無農薬にこだわって野菜や果物約15種類を共同で育てています。ふくろうファームに来るのは週に約2~3回、計6時間程度。来る時間も自分で決められるのでストレスや体への負担も少なく続けやすいですし、一日にメリハリができるので、仕事以外の時間も充実しています。
□全員で試行錯誤する時間も楽しみ
ファームに携わるメンバーは全員が農業未経験ですが、虫よけ剤は酢など人が口にする物だけで自作し、無農薬にこだわり知恵を出し合って育てています。みんなで考え話している時間も楽しいですね。家庭菜園と違い、無事に収穫できた作物を販売まで行うので、野菜たちが売れるのをみると「作ってよかったな」と一層やりがいを感じます。
ひらかたシルバーはたけ倶楽部ふくろうファーム山之上編で働く
岡元 住夫さん(68歳)
[プロフィル]
ゼネコンを退職後、家庭菜園に興味があったこともあり66歳からファームに参加。農作業だけでなく、作物の成長記録や年間の栽培計画にも携わる。
□運営団体紹介
公益社団法人
枚方市シルバー人材センター
〒573-0027 大垣内町3-14-1
【電話】844・2901【FAX】841・1088
「生きがいを得るための就業」を目的に清掃や障子貼り、受付事務などさまざまな仕事の機会を提供している。入会対象は60歳以上の人。手続きなどは電話で同センターへ。
仕事の紹介動画はこちら
※二次元コードは本紙参照
同センター事務局長の植田健作さん(写真左)もファームを訪れ一緒に育てています
※写真は本紙をご覧ください
□ふくろうファームとは
シルバー人材センターが運営する農業施設(山之上2)の愛称。東レ建設株式会社が開発した「トレファーム(R)」を活用し、高床式の農業用ベッドで栽培するため腰をかがめずに作業ができ、IoTシステムで給水も自動化。現在は同センターの会員約10人が運営に関わり、小松菜や春菊のほか、オテリー(レタスの一種・左写真)など少し珍しい野菜も栽培。週に1、2度収穫し、ファームから徒歩1分の休憩所や同センターで販売している(右写真)。
※写真は本紙をご覧ください。
◆働くことで変わる あなたの老後
働くことと健康にはどのようなつながりがあるのでしょうか。NPO法人で高齢者を対象とした短時間就労の開発や就労マッチングに関する事業を展開している遠座俊明さんに聞きました。
□社会参加するからこそ健康でいられる
健康だから社会参加できると思われがちですが、最近の研究では、社会参加するからこそ健康でいられることが分かっており、なかでも要介護リスクの低減のためには「働く」ことが有効であると明らかになっています。働くことは居場所や仲間ができるだけではなく、一定の責任や報酬、新しい経験や知識を得ることができるので、モチベーションを維持しやすいことが特徴です。
□大切なのは余暇と仕事をコントロールすること
働く際のポイントは継続できるようにすることです。続けるためには、余暇と仕事のバランスを自分でコントロールすることが大切です。働くことで充実感とお小遣いを得て、自由時間をより楽しもう、という気持ちで無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。
特定非営利活動法人
健康・生きがい就労ラボ
理事長 遠座(おんざ) 俊明さん