健康 医学豆知識 八尾市医師会

■認知症
認知症は物忘れがひどくなる病気と思われがちですが、それだけではありません。脳の中で思考や理性をつかさどる部分が壊れていくのに対し、本能や感情をつかさどる部分は生き残るため、喜怒哀楽が激しくなり、本能的な行動が増え、それが生活する中で大きな問題になってきます。誰にでも物忘れはありますが、このような理性と感情のバランスが崩れた状態は認知症という病気によるもので、適切な治療でそのバランスを保つことで、その人らしく生活ができる可能性があります。最近では認知症の治療薬も増え、強い感情を抑える薬や脳の破壊自体を抑制する薬などさまざまなものができています。
また、薬物治療のほか、認知症になると世界がぼんやりしたものになるので、周囲の人がそれに合わせて接することも大切です。過剰な期待は禁物で、ゆったり見守ることによって感情への刺激を避け、喜怒哀楽のスイッチが入るのを防ぐことができます。

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