- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府河内長野市
- 広報紙名 : 広報かわちながの 令和7年8月号
きらっと LIKE WORK
KAWACHINAGANO CITY
河内長野で輝いている人に聞きました
市民後見人として活動10年
成年後見人ボランティア 田中繁さん
支えが必要な人の安寧のために寄り添う
「市民後見人のことを一人でも多くの方に知ってほしい」と話すのは、市民後見人として活動する田中さん。現役時代は希薄だった地域との関わりを深めたいと思っていた田中さんは、親族の介護の経験から福祉に関心を持ち、市民後見人の案内を偶然街で見かけたことをきっかけに扉を叩いてみることに。養成講座・実務講座を経て平成25年登録、27年4月から市民後見人として活動されています。
市民後見人は、弁護士などの資格を持たない市民から家庭裁判所によって選任された後見人で、ひとりで判断することが困難な人(被後見人)を、その人らしく安心して生活できるよう支えています。週1回程度被後見人を訪問・面会し様子を見守る身上保護と、金銭などの財産管理を行っています。
「表情コミュニケーションが大事です」と話す田中さん。担当を受け持った当初は意思疎通が難しいこともあり、悩むこともあったそうです。それでも、被後見人のためと思い、少しずつ関係性を築いていきました。「今では、顔を見たらにこっとしてくれて、言葉がなくとも表情で調子がわかるようになりました。上機嫌なときはもちろん、いつもと少し様子が違えば見逃さず、何が気になっているのかを聞き取り、施設職員や通院などにつなげていきます」と語ります。面会した様子を記録し、それをもとに家庭裁判所などへ提出する資料作成もしています。
地域におけるセーフティネットのひとつである市民後見人という存在をより広く知ってもらい、共感を得られるよう、田中さんの活動は続きます。
・ほっと 大切にしているもの POINT
市民後見人として活動し10年の活動実績から、市民後見人として府内2人目となる知事表彰を受賞した際の賞状。「社協や行政、関係者のサポートなど、多くの方々のバックアップ体制があったからこそ受賞できたもので、それを代表して表彰されたものだと思っています」と謙虚な姿勢を忘れない田中さん。