文化 美の扉~和泉市久保惣記念美術館~

開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)
入館料:一般500円、高校・大学生300円、中学生以下無料
割引:20人以上、65歳以上(証明になるものを提示)、提携団体の会員証(会員含め5人まで)はいずれも2割引。各種障がい者手帳等提示の本人と介助者1人は無料

■美の扉を開こう!
◆常設展「上方ブロマイド―役者絵と美人画―」
たくさんの人の来場で盛り上がりました大阪・関西万博も10月13日で閉会となりました。そして、和泉市久保惣記念美術館では「‘25UKIYOE EXPO in IZUMI」と題してこれまで3回の展覧会を開きました。
6月から8月にかけて行った常設展「よーこそオーサカ、ようこそニッポン―なにわ名所と物産図絵―」では、大坂の風景画を取り上げ、江戸時代の浪花の名所をご覧いただき、また、特別展では日本の浮世絵が19世紀後半の主にヨーロッパで行われた万博で大きな反響を呼び、ジャポニスム(日本ブーム)に繋がったことを知っていただく機会となりました。今回は、海外で「Osaka Prints」として人気を得ている大坂で作られた浮世絵を中心に展示します。前回見逃した人も大坂や京都の美人画や役者絵の浮世絵をたっぷりとご覧ください。
期間:11月30日(日)~令和8年1月25日(日)

◇おすすめ作品の紹介
江戸時代に大坂や京都といった「上方」と呼ばれる地域で生まれた浮世絵のことを上方浮世絵と呼びます。江戸で作られた浮世絵と同じように、木版画の技法で摺られますが、雰囲気や目的にちょっとした違いがありました。
江戸の浮世絵は、大衆向けにたくさん作られ、役者絵や美人画、風景画など幅広いジャンルが楽しめました。それに対して上方浮世絵は、とくに歌舞伎役者を描く「役者絵」に力を入れています。大坂や京都では歌舞伎がとても人気で、観客は贔屓(ひいき)の役者を応援するために、舞台姿を描いた浮世絵を手に入れることが多かったのです。いわば「お気に入り俳優のブロマイド」のような存在だったといえます。
また、上方浮世絵は江戸で作られた浮世絵の制作数と比べると少なかったようですが、いろいろな技巧を用いて豪華に仕上げる作品が作られました。雲母(きら)を使ってきらめきを出したり、鮮やかな顔料で豪華に彩ったり、空摺(からずり)と呼ばれる凹凸を紙に作り出す技法を用いたりして、特別感を作り出しています。そのため、江戸の浮世絵に比べると繊細で華やかな印象を与えます。
上方の絵師たちは役者の顔や雰囲気をできるだけ忠実に表そうと努め、舞台の感動をそのまま紙に写し取ろうとしました。理想化された江戸の役者絵とはまた違い、「その人らしさ」を大切にしていたとも言えます。
こうして上方浮世絵は、歌舞伎を愛する人びとの思いとともに育まれ、今も「江戸とはひと味ちがう上方の魅力」を伝える貴重な作品として親しまれています。この機会に大坂の粋と技を感じてください。

◆館長のコレを見て!
空摺は今で言うところのエンボス技法です。木版に色をつけずに凹凸を作るには、浮世絵全体の色の配置を覚えておく必要がありました。摺師の腕の見せ所のひとつです。展示室で見てください。

■11月の美術館イベント

問合せ:美術館
【電話】54・0001
(〒594-1156、内田町三丁目6-12)