- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府熊取町
- 広報紙名 : 広報くまとり 令和7年8月号 〜第891号〜
国道170号の見出川に架かる大宮橋(長さ21.6メートル、幅6メートル)は、昭和6年に架けられたトラス橋です。
この橋に使用されているトラスが、明治7年(1874年)、日本で2番目に開業した大阪から神戸間の鉄道で使用された日本最古の鉄道橋を転用したものであることが判明し、6月17日に公益社団法人土木学会関西支部より発表されました。
この鉄道橋は、イギリス製のワーレントラスと呼ばれるもので、大阪市北区の浜中津橋などに転用されていることが知られていましたが、令和4年に浜中津橋が撤去されたことから、大宮橋は、当時の部材が現役で使用されている唯一のものとなり、貴重な土木遺産といえます。
昭和6年(1931年)の大宮橋の渡初めの写真には、新しく架けられた橋の完成を祝う熊取村民の姿をみてとることができ、転用されたワーレントラスの全景がよくわかります。
大宮橋を通る際には、日本の近代化を推し進めた明治の黎明期に思いをはせてみては、いかがでしょうか。
●ワーレントラス
トラス橋とは部材を三角形に組んだ構造を組み合わせて構成する橋梁であり、斜材の組み方によりいくつかの形式がある。
方向の違う斜材を交互に配置するのをワーレントラス橋という。
●昭和6年6月15日に撮影された大宮橋渡初めの写真(本紙参照)
渡初めは、新しい橋や道路の完成した際に行われる式典です。
日本では古くから行われている伝統的な儀式で、橋の長寿や安全への願いを込めて行われます。
●大宮橋が架けられた昭和6年頃の熊取
・昭和5年 阪和電気鉄道(JR阪和線)が開通、大久保に熊取駅が設置される。
・昭和5年 第3回国勢調査が実施される。熊取村人口5,994人