しごと 五国の現場から

県内各地で行っている県の主要施策の取り組みなどをクローズアップします。

◆SCENE1 楽しく 笑って 体験して 会場全体が健口についての学び場に
神戸新聞松方ホール(神戸市中央区)
県民の歯と口の健康意識の向上や健康寿命の延伸を目指し、6月28日に「well(ウエル)→噛む(カム)EXPO’25」を開催しました。県内外から約500人が来場し、ひょうご健口(けんこう)推進部長であるお笑いコンビ、ジャルジャルと一緒に、最新の研究内容を基にした歯科学識者による歯と口の健康に関する講演を聞いたり、歯磨きの意識付けを促すゲームを体験したりと、毎日のオーラルケアと歯科健診の大切さについて楽しく学びました。会場内には、最新のケア用品や歯磨き・口腔(こうくう)機能に関するゲームを紹介する企業ブースなどが設けられ、多くの参加者でにぎわいました。

「家族全員で長めの歯磨きを心がけています」
「授業の復習になりました」
・歯科衛生士を目指す堺市の白江さん。「今後の歯磨きはフロスも使用します」
・県民だよりでイベント開催を知り、伊丹市から訪れた森本さん一家。「長男は3分間の歯磨きを守っています」

◇「健口から始めるウェルビーイング向上プロジェクト」を進めています
これまでの取り組み:
・「歯及び口腔の健康づくり推進条例」の制定・施行〔2022(令和4)年〕
・「噛ミング(coming)EXPO’25~前笑戦~」開催〔2024年〕
・県民と一緒に歯・口の健康づくりを伝えるコミュニティー「ひょうご健口推進部」発足〔2024年〕

◆SCENE2 不妊治療と仕事を両立できる環境づくりに力を入れています
県民が安心して不妊治療等を受けられる環境づくりを継続的に推進するための枠組みとして、全国初の不妊治療支援に特化した「不妊症等に関する支援推進条例」を制定・施行し、企業や医療関係者など社会全体で支援しています。神戸市に本社を置くトーカロ(株)では、「不妊治療休業規則」を制定して不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境づくりに取り組み、国から「不妊治療と仕事との両立をサポートする企業」として認定される「くるみんプラス」を県内企業で初めて取得しました。

◇不妊治療と仕事。安心して両立できる環境を従業員のために
不妊治療と仕事の両立に悩む声を聞くことがあります。弊社では、不妊治療を育児や介護と同様に捉え、不妊治療を理由に1年間の休業や短時間勤務を可能とする等の休業制度を整えました。併せて年1回、全従業員に向けた研修を実施し「不妊治療と仕事の両立支援」について普及啓発を図っています。今後は当事者のニーズを拾いながら制度利用をより社内に広げ、安心して働ける環境づくりを進めます。
(トーカロ(株)人事総務部 ダイバーシティ推進室長 小森龍二さん、同室専門課長 真砂綾さん)

・職場のダイバーシティ推進に取り組む専門部署が、制度の整備や利用促進を図っています。
・好きなタイミングで受講できるEラーニングでの研修を実施。

◆SCENE3 ケアリーバーなど誰もが安心して働ける社会を目指して
県福祉センター(神戸市中央区)
県は6月20日、県内の4社を、児童養護施設や里親など社会的養護の保護を離れた人(ケアリーバー)が安心して働ける体制の構築等に取り組む「ひょうごケアリーバー応援企業」として認定しました。応援企業の一社、(株)メタルテックに話を聞きました。

・(株)ニッショー・エレック、(株)メタルテック、廣本産業(株)、マルイチ(株)の4社を認定。

◇職場の親“職親”として児童養護施設出身者をサポートしています
(株)メタルテック 代表取締役 松下真由実さん
2021(令和3)年、児童養護施設でボランティアをしている友人からケアリーバーの実情を聞いたことが始まりです。頼れる人がおらず、孤独から心を病んだり、道を外したりする子もいると知り、手助けしたいと思いました。その時に紹介された1人を雇用し、仕事はもちろん料理やお金の管理方法などを指導。時には相談にも乗っています。彼らに必要なのは、いざというときに頼れる人。職親がそばにいれば、安心して社会生活を送れるはずです。職親になる経営者がもっと増えてほしいと思います。

・入社4年目のYさんは、今や松下さんの右腕的存在。現在、同社には2人のケアリーバーが在籍しています。