くらし もっと! あまらぶ File45

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■自然災害と文化財・歴史資料
1月17日で、阪神・淡路大震災から30年となります。本市にも大きな被害があった中、文化財や歴史資料がどのように守られたのか、当時の取り組みなどを紹介します。

▽阪神・淡路大震災と文化財・歴史資料
同震災では文化財や歴史資料にも大きな被害がありましたが、この時、国は被災文化財等救援委員会を組織し、史上初めて大規模な文化財レスキュー活動が展開されました。また、歴史学会が中心となって歴史資料保全情報ネットワークが立ち上がり、被災地での歴史資料保全のボランティア活動が展開されました。
これらの現地事務所は本市の歴史博物館の前身である地域研究史料館に設置されました。同じく歴史博物館の前身である文化財収蔵庫では、被災文化財の調査・保全や修理、遺跡の発掘調査を行いましたが、遺跡内で災害復旧・復興事業を行う場合に必要となる発掘調査を迅速に進めるため、この時初めて全国から埋蔵文化財調査員が被災地に派遣されました。また、同震災が契機となり、平成8(1996)年度には文化財に指定されていない歴史的建造物を国が幅広く登録する登録文化財制度が創設されました。
本市では職員とボランティア、ほかの自治体から応援に来た職員が協力し、当時の混乱した状況の中でも文化財や歴史資料の保護に全力で取り組みました。

▽災害の記憶を後世へ自然災害伝承碑
過去に大きな自然災害が発生した場所には、災害の記憶を残すための石碑やモニュメントが設置されていることがあります。これらは自然災害伝承碑というもので、本市では9カ所の自然災害伝承碑が国土地理院のデータベースに登録されており、橘公園の「鎮魂の祈り碑」など同震災の伝承碑のほか、室戸台風やジェーン台風の伝承碑も登録されています。

▽企画展「尼崎・災害の歴史」
本市はこれまでに地震や風水害、干ばつなど数多くの自然災害で被害を受けてきました。それらから文化財・歴史資料を保全するとともに、自然災害の歴史の資料を保存し広く紹介することも同館の役割です。
1月11日〜3月30日、同館で、企画展「尼崎・災害の歴史」を開催します。これまでに本市を襲った自然災害の歴史に関する資料や市内に残る自然災害伝承碑の写真パネルなどを展示します。市民の皆さんが防災や減災について考えるきっかけになるような展示ですので、ぜひご来館ください(詳細は本紙26ページ参照)。

■あまらぶクイズ市内に設置されている自然災害伝承碑の由来ではない災害はどれでしょう。
(1)阪神・淡路大震災
(2)平成30年台風第21号
(3)室戸台風

答え:(2)平成30年台風第21号