- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県宝塚市
- 広報紙名 : 広報たからづか 2025年7月号No.1337
■がんセンターの役割とは
がんセンター長 長谷川 誠紀(せいき)
京都大学卒業後、同大学胸部疾患研究所外科部門に入局。静岡市立病院、国立姫路病院を経て京都大学大学院および米国セントルイス・ワシントン大学にて肺移植を研究。帰国後京都大学医学部附属病院集中治療部、同病院呼吸器外科を経て2004年に兵庫医科大学病院呼吸器外科を創設。2024年に当院着任。日本呼吸器外科学会専門医・認定医、日本外科学会認定医・専門医・指導医、日本胸部外科学会認定医・指導医
かつては不治の病と言われ、医師が患者に病名を伝えることさえためらわれた「がん」。日本人の2人に1人が発病する身近な病気ですが、医学の進歩により有効な治療法が次々と開発され、今では完治することも多くなりました。
それでも、がんになると患者さん自身の心配や悩みは尽きません。患者さんからは、がんの予防方法、相談先、治療方法や治療内容、治療ができる施設、今後の生活や治療費についてなど多くの相談があります。そんな疑問や悩みに答えるために当院の「がんセンター」があります。
当院は兵庫県指定のがん診療連携拠点病院として、地域のがん医療を担っています。がんセンターには、放射線治療センター、化学療法センター、がん診療支援センターがあり、がん治療におけるさまざまな分野の専門的な知識を持ったスタッフが、主治医と連携して患者さんに最善の治療を提供しています。
がん治療を受けるにあたり、心身ともに安定していることも重要です。そのため、看護師やソーシャルワーカーなどの専門職のスタッフに患者さんが安心して相談できる窓口として、がん診療支援センターを設置しています。また、治療を受けられる体力を温存するため、がんに伴う症状を上手にコントロールする緩和ケア治療を並行することもあります。
緩和ケアと聞くと終末期というイメージを持つかもしれませんが、薬物療法などで痛みや症状を和らげていくものです。あわせて、カウンセリングなどの精神的支援を行い、患者さんや家族の不安を取り除くようなサポートをしています。このように、がんと診断された当初からケアすることで、患者さんの心身を可能な限り健康な状態に保ち、がん治療前の生活を治療中、治療後も維持していくことを目的に行っています。
また、センターでは、がん患者さんや家族が集まるがんサロン「セキレイ」を毎月開催し、参加者同士が交流する場を2018年から設けています。参加者からは「気持ちが軽くなりました」「前向きに生きられるよう、心の切り替えができました」といった声が届いています。当院を受診していない人でも、お気軽にご参加ください。
がんセンターでは、がんと診断された患者さんや家族がこれからも豊かな生活を送れるように、患者さん一人一人に寄り添った支援や治療を続けていきます。
■エフエム宝塚(83.5MHz)「市立病院の得した気分!」
日時:7月9日(水)10時半~11時
(再)7月11日(金)19時半~20時
テーマ:がんセンターの役割とは
出演:がんセンター長 長谷川誠紀
■がんサロン「セキレイ」(対面式とZoomの同時開催)
がん患者同士の不安や悩み、体験を話す交流の場です。
日時:7月16日(水)15時~15時45分
場所:がん診療支援センター(現地参加は予約不要。開始10分前までに直接会場へ)
対象者:がん治療中の人と家族(当院を受診していない人も参加可)
問合せ:同センター
【電話】87・1161【FAX】87・5624
問合せ:市立病院
【電話】87・1161【FAX】87・5624