子育て 〔特集1〕対談「9年間で育む学びと未来」市長・教育長・校長が語る、小中一貫教育(3)

■他に各学校の特徴的な取組は?
◇冨田校長
吉川小・中学校では、今年10月に初めて小中合同で運動会(体育祭)を実施しました。児童生徒が一緒に活動する大きな行事を通して交流が深まるとともに、教職員同士も打合せを重ねるなど、協力体制が広がりました。保護者や地域の協力があってこその取組であり、一つのモデルになるよう進めています。
また、小・中学校合同で学校運営協議会を行い、そこでの提案を受けて、地域の歴史などを学ぶ「吉川ふるさと学習」に取り組んでいます。地域の方々と連携しながら、郷土への理解を深める活動が始まっています。

◇大北教育長
学校運営協議会の委員の方が小・中学校両方を兼ねられているのは強みですね。学校間の連携がちぐはぐにならず、地域全体で子どもたちを支えている印象です。

◇冨田校長
合同での学校運営協議会では目標や課題を共有した上で、小・中学校の部会に分かれ、それぞれのニーズに応じた活動を検討し、再び合同で共有しながら次の行動を決めています。地域のネットワークを生かし、地域の方を特別講師として招く仕組みも整いました。

◇大北教育長
社会教育と学校、地域協議会が一体となって動いているのは大きな力ですね。共同活動として学習が展開できていること自体が成果だと思います。

◇高森校長
別所小・中学校では、子どもたちに「9年間でつながっている」という意識を持たせるため、学年表記を「7年生・8年生・9年生」と統一しました。小学校と中学校の間の心理的な壁を取り除き、子どもたちだけでなく、教職員や地域の方など関係者の皆さんが義務教育9年間の一貫性を意識できるよう取組を進めました。

■小中一貫教育を経て将来に向けて思うことは?
◇冨田校長
交流を重ねるごとに、小学生が中学生の良さを吸収していく姿に、小中一貫教育の教育的効果を強く実感しています。
中学生から学ぶ姿勢や人間的な成長に触れることで、小学生は大きな刺激を受けています。こうした体験を通じて「中学校に行くのが楽しみだ」と思えるよう今後も小中一貫教育をさらに推進していきたいと考えています。

◇高森校長
小中一貫教育だからこそ育まれる教職員の「育てる力」や児童生徒の「豊かな心」を、今後もっと明確にしていきたいと考えています。9年間を通して子どもたちが夢や目標を持ち、その達成に向けて自ら学べるようになってほしい。そのためにも小中一貫教育をさらに推進し、着実にこれまでの取組を続けていきたいと思います。

◇大北教育長
小中一貫教育は目的ではなく、「生きる力」を育むための手段です。子どもが健やかに成長していくことが大切であり、この取組を進めることによって「小中ギャップ」が和らいでいるのは大きな成果だと感じています。先生方は多忙の中でも、子どもの成長を実感できることが何よりの喜びです。小学校から中学校まで一貫して子どもを支え、卒
業時には自分の人生を真剣に考えられるよう育ってほしいと思っています。「先生のおかげで成長できた」と子どもから言われることこそ教師の誇りです。小中一貫教育を通じて、夢を育み、未来をつくる三木の教育を実現していきます。

◇仲田市長
別所小・中学校や吉川小・中学校での取組を伺い、先生方が一体となって子どもたちに向き合う姿勢に大きな意義を感じています。こうした実践が市全体に広がり、子どもたちが夢や希望を持ち、自らの人生を切り開いていける教育環境へつながってほしいと思います。
教育は私の市政の柱です。先生方の負担を軽減し、子どもとしっかり向き合える時間を確保することが大切だと考えています。その中で、子どもたちにとって憧れとなる先生との出会いが成長の大きな力になります。三木市には、そうした「よい先生」と「よい教育」があふれる環境を築いていきたいと思います。

■小中一貫で初開催!吉川小中合同運動会「よかフェス」
吉川小・中学校の児童生徒が力を合わせて、「よかフェス(吉川フェスティバル)」を初開催!雨の影響で一部開催できなかったプログラムもありましたが、リレーや大縄跳び、綱引きなど、小中が一体となって盛り上がった一日。笑顔と声援があふれる運動会になりました。

◇子どもたちにインタビュー
・吉川小学校 6年 中野結翔さん
中学生と話したり、一緒に活動したりして楽しかったです。下級生を優しく助けたり、協力して準備や片付けをしている姿がすごいと思いました。ぼくも中学生になったら、同じようになりたいです。

・吉川中学校 3年 木村那美さん
小学生が大きな声で応援してくれてうれしかったです。小さな体で一生懸命頑張る姿に元気をもらいました。運動会を通して小学生と関わる中で、普段より周りを見て行動することができました。

■〔オフショット♪〕仲田市長が教室を訪問!生徒たちとのふれあいトーク
対談前には、今回の対談の舞台となった別所中学校の教室を市長が訪問。生徒たちと市長がふれあう貴重な時間となりました。
生徒たちは小中一貫教育での学校生活の様子や将来の夢などを紹介し、中には「将来、市長になりたいです!」という声も。笑顔があふれるひとときとなりました。市長も「みんなの充実した学校生活や将来の夢を聞けて、元気をもらいました」と笑顔で語っていました。

問合せ:(市)小中一貫教育推進室