くらし 〔Column〕生きる

■オープン/クローズ
◇自分の病気をどこまで開示するのが正解か
難病・慢性疾患を抱える当事者との情報交換の場で一番話題になるのは「仕事や学校、自治会など、社会生活の中で自分の病気をどこまで開示するのが正解か」ということです。
これは正答のない複雑な問題です。12月号でふれたように病を巡る誤解や偏見は根強く個人の努力で乗り越えられるレベルではありません。
例えば病名を明かして就職活動をすると、不採用になる話をよく聞きます。本来「持病」は、採用後の配慮事項であり不採用の理由になってはいけないのですが。
自分の私的な情報は本来慎重に守られ、誰に何を開示するかを自分で自由に選べるものです。しかし現実は、持病の情報を開示するか否かの判断は、自分の希望ではなく周囲の状況によって選ばされている感覚になることがあります。病と共に生きる人たちは、まだまだマイノリティの立場に置かれていると思います。
「病気のことは話さず就職したが、親しくなった同僚に打ち明けてから、一気に気持ちも体も楽になった」という声を聞いたことがあります。最近は、まず自分の周りに信頼できる人を見つけ、その人と一緒に自分も変わっていこう、と励まし合う事が増えてきました。
病気のことをオープンにして生きていける社会は病の当事者だけでは決してつくれません。周囲の理解と変化が不可欠なのです。
NPO法人大阪難病連事務局長 尾下葉子

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